国家親衛隊の第13作戦任務旅団「ハルティヤ」(通称「ハルティヤ旅団」)の報道官は「前線の小さな区画で、同時にロボットの無人機材数十台」が使用されたと述べている。
これは技術的な偉業だが、同時に、戦力が過度に引き伸ばされているウクライナ軍の弱点を示す懸念すべき兆候でもある。とりわけ無人車両は大きな制約があり、まだ完全に人間の歩兵に取って代わることはできない。
ハルティヤ旅団が地上攻撃で人間をすべてロボットで置き換える必要があったのは、戦っている相手のロシア軍部隊と比べて人員がどれほど少ないかを物語っている。ハルティヤ旅団は、ロシアとの国境からすぐ南のリプツィ近郊フリボケ村周辺で8kmほどの前線区画を守り、4個以上の連隊規模のロシア軍部隊を押しとどめている。
この方面のウクライナ側とロシア側のマンパワー(人的戦力)の差は、2000人足らず対6000人超だろう。ロシアが引き起こして2年10カ月たつ全面戦争の1300km近くにおよぶ前線のほかの方面でも、両軍のマンパワーの差はおおむね同じだ。全面戦争の開始以来、ロシア軍はウクライナ軍のざっと2倍にのぼる人的損害を被っているとみられるものの、人員数はウクライナ軍をなお大きく上回っている。
ハルティヤ旅団によると、今回の作戦には監視ドローンや地雷敷設ドローン、自爆ドローン、遠隔操作の機関銃で武装した地上ロボットなどが投入された。
ロボットによるこの小規模な「諸兵科連合」作戦に先立ち、ウクライナ軍の無人車両は9月、ロシア西部クルスク州でロシア軍の塹壕の掃討に成功していた。ロシア軍もロボットによる小規模な地上攻撃を行っているが、あまり成功していない。