欧州

2024.12.21 12:00

北朝鮮の兵器産業に依存深めるロシア M1989「コクサン」自走砲、映像でも確認

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2022年2月にロシアがウクライナに対する全面戦争に乗り出した時点で、ロシア軍は自走砲を2000門ほど配備していた。以来、2年10カ月にわたるウクライナ軍との激しい戦いで、うち800門以上を失った。新しい砲身が不足しているため、さらに数百門が使用不能になっている。

一方、ロシアでのこうした大砲の新造数は需要を大幅に下回っている。また、冷戦時代の古い自走砲の在庫も、多くが修復・再利用や部品取りのために引き出された結果、戦争前から半減している可能性がある。

ロシアが移動式の大砲の不足に陥っているのは明らかだ。この1カ月あまりで2回目、北朝鮮製の自走砲がロシア国内を列車で輸送されているのが目撃されたのも、おそらくそれと無縁ではない。北朝鮮はいまや、ロシアの砲兵戦の主要な支援者のひとつになっていると言える。
ロシアの砲兵部隊と、北朝鮮の秘密に包まれた兵器産業が関係を緊密化している現状の表現としては、これは最もおおらかなものだろう。もっと厳しく言えば、ロシア軍は北朝鮮製兵器に依存するようになってきている、ということだ。

11月の写真に続き今回は動画で確認された北朝鮮製M1989「コクサン(谷山)」自走砲は、170mm砲弾を発射する。ロシア軍の既存の大砲が発射しているのは122mm砲弾か152mm砲弾なので、エストニアのアナリスト、アルトゥール・レヒが言うように170mmというのはロシア軍にとって「特殊」な口径になる。

北朝鮮はロシアに122mm砲弾と152mm砲弾も供給していて、その数は数百万発にのぼるかもしれない。ロシア軍は引き続き砲弾を1日に1万発以上のペースで発射している可能性があるが、それには北朝鮮砲弾も寄与しているはずだ。

この冬まで、北朝鮮がロシアに供与した砲弾は、基本的にロシアも生産できるサイズのものだった。ロシアにとって、問題はあくまで砲弾の生産量であって、それを生産できるかどうか自体ではなかった。仮にロシアと北朝鮮の外交関係がほころびても、ロシア軍の大砲は、数は減ってもなお砲弾を発射できたということだ。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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