また、『Journal of Scientific Exploration』に発表された研究では、前世の記憶があると主張する成人42人を調べた。前世の記憶が残っていても、ほとんどの人は、その記憶からおおむねポジティブまたはニュートラルな影響を受けており、幸福で、生産的で、健康的な普通の生活を送っていることがわかった。
例えば、42人のうち約半数は、前世の記憶のおかげで、生まれ変わりを信じる気持ちが強くなり、他者とのつながりを感じられるようになったと報告している。
しかし、前世の話を聞きたがる人々からの過剰な注目、幼少期のからかいなど、困難を経験した人もいる。また、前世と関係があると思われる恐怖症による苦悩も報告されている。ほとんどの人は、前世より現世の生活を好んでいた。
興味深いことに、生まれ変わりや来世を信じることが、死に対する不安を軽減している可能性がある。
2024年11月に発表された前世に関する研究に参加した26歳の人物は、こう説明している。「子どものころ、曽祖父母、祖父母、義理の祖父母を失った。彼らはいずれ戻ってくる、と理解し始めたことで、そのショックが和らいだ。彼らは(現在の人生の)最後で苦しむかもしれないが、新しい始まりがあるのかもしれない」
前世の記憶が、生まれ変わりによるものか、想像豊かな心が生み出したものか、あるいは、その中間かにかかわらず、それは私たちの信念や生き方をつくり変える可能性がある。過去を垣間見るこうした体験は、興味をそそられると同時に不可解でもあり、記憶、意識、人間の存在の本質に深い問いを投げかけている。
(forbes.com 原文)