サイエンス

2024.12.21 17:00

「前世の記憶」をもつ人々、研究からみえてきたそのパターンと共通点

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『Psychology and Psychotherapy』に発表された研究で、前世の記憶を持つ子どもたちの心理学的特性を調べた結果、そのような記憶を持たない子どもたちに比べて、空想や、注目を集めること、解離のスコアが高かったが、暗示にかかりやすい傾向はなかった。子どもたちが経験していた解離的傾向も、臨床的に懸念されるレベルではなかった。
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また、『Journal of Scientific Exploration』に発表された研究では、前世の記憶があると主張する成人42人を調べた。前世の記憶が残っていても、ほとんどの人は、その記憶からおおむねポジティブまたはニュートラルな影響を受けており、幸福で、生産的で、健康的な普通の生活を送っていることがわかった。

例えば、42人のうち約半数は、前世の記憶のおかげで、生まれ変わりを信じる気持ちが強くなり、他者とのつながりを感じられるようになったと報告している。

しかし、前世の話を聞きたがる人々からの過剰な注目、幼少期のからかいなど、困難を経験した人もいる。また、前世と関係があると思われる恐怖症による苦悩も報告されている。ほとんどの人は、前世より現世の生活を好んでいた。
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興味深いことに、生まれ変わりや来世を信じることが、死に対する不安を軽減している可能性がある。

2024年11月に発表された前世に関する研究に参加した26歳の人物は、こう説明している。「子どものころ、曽祖父母、祖父母、義理の祖父母を失った。彼らはいずれ戻ってくる、と理解し始めたことで、そのショックが和らいだ。彼らは(現在の人生の)最後で苦しむかもしれないが、新しい始まりがあるのかもしれない」

前世の記憶が、生まれ変わりによるものか、想像豊かな心が生み出したものか、あるいは、その中間かにかかわらず、それは私たちの信念や生き方をつくり変える可能性がある。過去を垣間見るこうした体験は、興味をそそられると同時に不可解でもあり、記憶、意識、人間の存在の本質に深い問いを投げかけている。

forbes.com 原文

翻訳=米井香織/ガリレオ

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