テクノロジー

2024.12.23 16:45

食感をテクノロジーで進化 グミ検査の応用で「かみごこち」を計測

明治公式ホームページより

明治のグミのパッケージには、グミの硬さを表す「かみごたえチャート」が示されている。グミの食感にこだわる明治は、そのために専用の計測装置まで開発しているが、このたびその改良版を発表した。硬さだけでなく、ホイップクリームのようなやわらかい食材の食感も正確に計測できるこの装置の登場で、食品の世界が大きく進化する可能性がある。

明治がパッケージに示している「かみごたえチャート」は、単に硬さを示しているだけではない。それは、日本医科歯科大学のライセンス技術と明治独自の解析と食品物性の評価技術を統合して作られた「ORAL-MAPS」(オーラルマップス)という咀嚼運動のシミュレーション装置で計測したデータと専門パネルの官能評価結果を合わせて作られた、より複雑な「かみごこち」を数値化したものだ。ちょうどいい硬さのグミを選べば、チャートから自分の咀嚼能力がわかるという役割がある。またオーラルマップスは、噛むことと気分の相関関係など、咀嚼や嚥下に関連する研究にも貢献している。

オーラルマップスは、一定の温度下で人工唾液を加えながら咀嚼を行い、実際に食べている状況を再現する。グミは、温度や湿度で食感が変化するため、温度と人工唾液の調整は非常に重要だ。新しくなったオーラルマップスは、動作の完全自動化により作業効率は2倍になり、温度や人工唾液の量などの制御を安定化させて計測値のばらつきを軽減するなど精度の向上もはかった。そうすることで、やわらかく温度変化に敏感で、舌の力で溶けてしまうホイップクリームや、溶けた熱々のチーズの食感の評価なども可能となった。
「くちどけの良さ」と「口中のかたさ」の2つの指標で4種類のホイップクリームの食感を識別。

「くちどけの良さ」と「口中のかたさ」の2つの指標で4種類のホイップクリームの食感を識別。


新しくなったオーラルマップスは、グミだけでなく、明治の製品全般に応用が可能になり、明治が提唱する付加価値のある栄養の研究がさらに広がることだろう。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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