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2024.12.22 14:15

GPTの活用法:対話型コーチAIを創ってみる

Alexander Limbach / Shutterstock.com

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ChatGPTを日々の業務などで活用されている方は多いと思います。私も有料アカウントで利用していますが、回答精度も時間と共に高まっているようです。

例えば、講演のスライドでGPTの能力を紹介する際に、先が読めず変動する時代であるという説明でよく使われる「VUCA」(Votatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguity)という言葉をChatGPTに説明させてみました。その当時はChatGPT 3.5で、得られた回答は「VUCA」をうまく説明している様に見えたのですが、よく読むとV (変動性) とU(不確定性)の説明が入れ替わってしまってました。これは、いわゆる「ハルシネーション」と呼ばれる生成AIでよく発生する「回答の誤り」です(さらっと文章を読んだだけでは気づかないレベルのハルシネーションもありますので、ChatGPTを活用される方は注意が必要です)。

ただ、その半年後に同じ質問をChatGPT 4に聞いた際は誤りは訂正されていて、正確に「VUCA」の説明がされていました。さらに少し時間をおいて、ChatGPT 4o がリリースされたころに得られた回答は、「VUCA」の説明だけでなく、「VUCA」時代の対応策も追加されていました。どんどん回答のレベルが進化し、正確さを高めていることはまちがいないようです。

2024年に入って、5冊の書籍を刊行しました。英語翻訳版が1冊あるので実際には4冊になります。これらは、私の過去30年以上にわたる先端デジタル技術開発と世界的プラットフォーム事業の構築と運営に関わる技術経営的経験を反映した書籍になっており、次代のリーダーの方々にとっての参考書となればと思っています。

『未来を創るリーダーへの道標』(生存戦略編・実践実行編・未来展望編)の三部作では、進化・変化する経営環境の中でどうやって事業・企業が生き残り、どのようなアクションを取り、いかなる未来を描く事が必要かについてヒントを提供しています。『プレイステーションの舞台裏:元CTOが語る創造の16年』では2024年12月3日に日本での発売30周年を迎えたプレイステーション事業に初代プレイステーションの立ち上げに参画してから歴代のプレイステーションに関わった16年の経験をまとめたもので、事業立ち上げと展開の産業史的実録としたもので、世界的プラットフォーム群の立ち上げを疑似体験していただけるものです。

書籍は基本的に初めから終わりに向かって一方向で読むものですが、時には付箋などをつけておいて、何度も振り返るという使い方がされることがあります。私が昨年2023年11月に上梓した『創造する人の時代』では多くの方が付箋を付けて、何度も読み返してくださっている様で、著者として嬉しい限りでした。

こういった一度きりでない書籍の使い方があるとすれば、もっとよい方法はないだろうか、疑問を持った時に、複数の書籍に記載された知見・経験を簡単に引き出す方法を創ろうと思いました。

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文=茶谷公之

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