カルチャー

2024.12.23 14:30

「解けないと買えない」購買体験をエンタメに」│トキキル

常春|トキキル クリエイティブディレクター

購入後は、その服を着ることで周囲の人に謎解きを出題することができる。つまり、着用者がヒントを出す役にもなることができ、新たなコミュニケーションの創出につながる。洋服であれば日常のなかで謎解きができるため、「謎解きは会場に行って楽しむもの」という固定観念をも崩す取り組みだ。
謎解きのヒントを出してくれる常春
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さらにトキキルは24年12月、集英社ゲームズとのコラボで「ジャンプフェスタ2025」内に出展するポップアップストアにもコラボで参加。『週刊ヤングジャンプ』「少年ジャンプ+」で連載中の漫画『ジャンケットバンク』のグッズなどを扱うこのポップアップストアでは、“解けないと買えない”を応用し、事前にWebサイト上に隠された謎を解けた人だけが入店招待状を受け取ることができる設計とした。

「ただ会場に足を運んで漫画のグッズを購入するのではなく、謎解きがあることで購買体験にストーリーが生まれてエンタメになります。また、苦労して入手したグッズは長く大切にしようという気持ちにもなりますよね」

トキキルは、クリスマスの12月24〜25日に池袋PARCOで開催される 「ペア限定対話型異変探し『仕掛けるクリスマス』」もプロデュース。ペア同士でお互いに異変(ドッキリ)を仕掛け合いながら買い物をする体験で、チケットは即完売した。
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さらに25年には、2月に渋谷で開催される音楽フェスとのコラボも予定しており、ほかにもアニメや通販番組、ファッションショーとのコラボを企画中。謎解きブームはビジネス領域を含めてますます拡張している。

「コロナ明けの23年ごろから、エンタメ界では大規模なコンサートやフェスの動員が復活してきました。そこで25年には、これまでSNSでつながっていた人たちのオフ会やファンコミュニティのような、より小規模で濃厚な集まりが増えてくるのではと考えています。トキキルでも、そんなアクティブな人たちが集まる“場”を仕掛けて、謎解きの魅力を広めていきたいですね」


とこはる◎1993年、東京都生まれ。初めて謎解きをした日に、解けない悔しさから謎解き制作を始める。大学1年生で謎解き作家デビュー。TBS系「佐藤健&千鳥ノブよ!この謎を解いてみろ!」の謎制作などを担当。2022年に「トキキル」を立ち上げ。

文=田中友梨 撮影=山田大輔

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