ウクライナ軍の強力な軍勢が8月上旬にクルスク州に侵攻してつくり出し、現在650平方kmほどの広さの突出部に対して、北朝鮮の下車歩兵はいくつかの大規模な部隊に分かれて複数の方向から、開けた地形を横切って突撃した。
突出部の南東周縁に位置するプリョーホボ村への攻撃は最初、ウクライナ軍の地雷やドローン(無人機)に見舞われたあと、大きな犠牲を払いながらも最終的には成功した。だが、反対側の北西周縁でウクライナ陸軍第17独立重機械化旅団が保持する陣地に対する別の攻撃は失敗したようだ。
ウクライナ側の後者の勝利には、議論のある兵器も寄与したのかもしれない。
北朝鮮部隊による攻撃とみられる様子を撮影したドローン映像のひとつでは、雪に覆われた戦場にクラスター砲弾が炸裂し、擲弾(てきだん)サイズの致死的な子弾がばらまかれている。使われたのは米国製のDPICM(対人・対装甲クラスター弾)のようだ。
cluster missile strike on presumed north korean infantry at the location geolocated belowhttps://t.co/3eHf1feHAU https://t.co/AYHm0s6XI3pic.twitter.com/cJn7XCITJt
— imi (m) (@moklasen) December 16, 2024
DPICMはその有効性にもかかわらず、この戦争に遅れて投入された。米国が余剰のDPICMをウクライナに供与し始めたのは、ロシアによる全面侵攻が始まって1年半近くたつ2023年夏のことだ。
DPICMをウクライナに供与するという決定は当時、議論を巻き起こした。50kg弱のこの砲弾は不発弾を残すことが多く、味方部隊や民間人に深刻な危険をもたらすおそれがあるからだ。不発率が3%を超える場合もあるなど高いため、米陸軍は旧型のDPICMを新型に置き換えていくことを余儀なくされた。
しかし、ロシア軍に兵員数でも装備面でも著しく不利なウクライナ軍は、旧型DPICMの集中使用にともなう危険性を進んで受け入れた。