これはウクライナの航空機メーカー、アエロプラクトのプロペラ機「A-22フォックスバット」をベースにした長距離ドローンによる最新の攻撃だ。価格9万ドル(約1400万円)ほどのA-22は、今年春ごろからウクライナ国防省情報総局(HUR)が使い捨ての攻撃ドローンに改造して使用している。
An Ukrainian E-300 UAV struck Grozny, Chechnya, this morning. pic.twitter.com/2bqW16mGOH
— (((Tendar))) (@Tendar) December 15, 2024
グロズヌイに対する攻撃は現地で少なくとも2人よってスマートフォンで撮影され、うち1人は建物にぶつかる様子を至近距離からカメラに収めている。映像からは、ウクライナが2022年2月のロシアによる全面侵攻後に開発した縦深打撃兵器のひとつであるこの即席攻撃ドローンについて、新たな細部もいくつか明らかになった。
This morning a kamikaze drone made on the base of Aeroprakt A-22 Foxbat targeted an OMON base in Grozny, Russia (Kadyrov's capital). pic.twitter.com/eUonfXqajE
— Special Kherson Cat 🐈🇺🇦 (@bayraktar_1love) December 15, 2024
また、もともとは尾翼に登録番号が記されていた可能性もある。というのも、映像のひとつでは番号のあたりが塗りつぶされているように見えるからだ。これは、HURがキーウにあるアエロプラクトの工場から直接、新造のA-22を全量取得しているのでなく、無人機への転用のため中古のA-22を調達していることを示唆するのかもしれない。
ウクライナ東部と南部の暴力的な占領を支援している可能性がある特殊部隊の基地に対する今回の攻撃では、大きな火の玉が上がったものの、英国製のストームシャドー巡航ミサイルなど、専用の縦深打撃兵器による攻撃の場合にみられるような大量の破片の散乱は発生しなかった。