世界中の従業員の91%がリモートワークをより良い働き方であると捉えるようになった現在、働き方の未来がより柔軟で自律的なものへとシフトしていることは明らかだ。このような働き方の劇的な変化は、単なる一過性のトレンドにとどまらず、どこでどのように働くかをコントロールしたいという、人々の深い欲求を反映している。しかし、リモートワークは魅力のある働き方であることは確かだが、従来のオフィス型の働き方から完全なリモートワークへ移行するときには困難もつきものだ。
リモートワークを成功させるには、単に場所を変えるだけでなく、生産性と幸福感を維持するための仕組みや規律が必要だ。そこで本稿では、シームレスな移行を実現し、リモートワーク環境を整えるために役立つチェックポイントを紹介しよう。
専用のワークスペースを確保する
リモートワークでは、仕事とプライベートの境界を明確にすることが重要だ。そのための最善の方法のひとつが、専用のワークスペースを確保することである。自宅の中でも、気が散らない静かな場所を選ぶのが理想的だ。空き部屋でもいいし、リビングルームの一角でも良いだろう。重要なのは、ワークスペースは仕事に関係することだけに使うようにすることだ。
専用のワークスペースがあれば、精神的に仕事と家庭生活を分けることができる。また、気が散るのを最小限に抑え、よりプロフェッショナルなマインドを育むことで、1日中、集中力と生産性を保つことができるだろう。可能であれば、座り心地の良い椅子やデスクなど、人間工学(エルゴノミクス)に基づいた家具に投資し、正しい姿勢や健康を維持することを心掛けよう。
定時を決め、それを守る
従来型のオフィス環境とは違い、リモートワークでは仕事とプライベートな時間との境目を保ちにくい。規則正しい勤務時間を設定することで、ワークライフバランスを保ちながら、規律と集中力を維持することができる。始業と終業の時間を決め、それを守ることを習慣にしよう。決まった就業時間を守ることで、仕事から離れて充電する時間も確保しやすい。決められた勤務時間外で「もう1通だけメールを送ろう」と考えるのは、燃え尽き症候群を引き起こし、プライベートと仕事の境界線を曖昧にする可能性があるため、避けた方が良いだろう。