北米

2024.12.16 16:00

米国の闇市場を支える決済アプリVenmo、薬物取引や売春での利用が拡大中

Venmoは違法薬物や賭博、売春などの決済ツールとしてもこのアプリは人気だという(Nikos Pekiaridis/NurPhoto via Getty Images)

彼は、Venmoを主にルームメイトから家賃や光熱費を徴収したり、食事代を割り勘にする場合に使用しているが、全取引の約10%は違法な用途に使っていると推定している。フラックは、2週間前にコカインやMDMAの錠剤12個、大麻、ケタミン、マジックマッシュルームを含む「パーティー用の品物」を600ドル(約9万2000円)で購入し、友人と分け合った。その際、メモ欄には「ヤンキース」と記載していた。
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Venmoをこうした違法な用途に使うことは、愚かなことだとも言える。なぜなら、このアプリを使用する際には、銀行口座や本名を結びつける必要があるからだ。しかし、その便利さがリスクを上回ることがほとんどだ。

違法賭博の送金にも

Venmo は、スポーツ賭博のオペレーターのDraftKings(ドラフトキングス)と合法的に連携しているが、違法な賭博業者やギャンブラーもこのアプリを利用している。

デトロイト在住の金融アナリストのベンは、スポーツ賭博が合法である地域に住んでいるにもかかわらず、なじみの胴元を通じて違法な賭けを行っている。「もう現金は使わない。業者もVenmoしか使っていない」と彼はいう。

ベンの胴元は、当局やペイパルに気づかれないようにするために、一回の取引を1000ドル(約15万4000円)以下に抑えるよう依頼している。例えば彼は、5000ドル(約76万8000円)を失った場合に900ドル(約13万8000円)ずつに分割して複数のアカウントに送金する。一方で、ベンが勝った場合は、知らない人からVenmoで送金を受け取ることになる。その際のメモにはスポーツやギャンブルとは無関係な内容が記載される。
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国内最大級の賭博業者の1人は、Venmoやペイパルを用いて巨額の資金がやり取りされていると明かしている。「10人の業者がいれば、そのうち7人は使っているだろう。Venmoはこの分野を支える巨大なツールだ」とその業者は述べている。

ベンの場合は、Venmoをギャンブルにしか使わないという。「昔は、奥さんに内緒で複数の銀行口座を持つ人もいたが、今ではVenmoがその役割を果たしている」と彼は語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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