宿泊者名簿に嘘(偽名等)の記入をしたら?
短期間(1日以上30日未満)の拘留、または少額の金銭(千円以上1万円未満)の科料の軽犯罪になる可能性があります。けして重い罪ではありませんが、もし仮にこれらの刑で処罰された場合は市町村の犯罪人名簿には掲載されないものの、検察庁の犯歴記録には前科として一生残ることになります。宿泊者名簿の嘘で罰せられるということはほとんどないと思いますが、他の容疑を追求するための別件逮捕として使われることは可能性として十分考えられます。
けれども、ホテル側は記入された内容が本当であるかはその場では確かめようがありません。住所・電話番号確認をその都度おこなうなんて不可能ですから。せいぜい電話番号の桁が多い・少ない、くらいの明らかな間違いに気付けるだけです。
嘘の記入で人類が滅亡?
宿泊者名簿は伝染病等の感染ルートが特定できるようにという目的があると述べました。例えば、とても感染力の強いウイルスによる伝染病患者がホテルに泊まっていたことが判明したとしましょう。そしてあなたもたまたま同時にそのホテルに宿泊していたとします。
関係機関は必死に接触者を捜しさらなる感染を食い止めようとします。しかし、あなたは宿泊名簿に偽名と嘘の連絡先を記入していました。そんなことを知る由もないあなたが病院に運び込まれた時には既に意識不明の重体、その間にも多くの接触者が感染。感染者はネズミ算式に増えていき、さらには変異して最強ウィルスが出来上がり人類は滅亡…。
そう、あなたが嘘の記入をしたことで人類が滅亡してしまう可能性があるのです。
まあ、これは理由が分かり易いようちょっと大袈裟な例を挙げてみましたが、こんなことがないように記入を求められているわけです。
だからこそ、宿泊者が不安なく記入できるようホテルは個人情報やプライバシーに関しては厳格に扱うべきと思います。
というわけで、ホテル側から宿泊名簿の記入を求められたら、不満はいろいろあれど素直に書いておくのが良さそうです。意固地になっても得はありませんから、くれぐれもトラブルをおこさないようにしてください。
抗議のつもりか個人情報の心配からか、なぐり書きをしてわざと読めないように書く人がいます。また名前を書くときに一瞬躊躇しているように見受けられる人がいます。
ホテルマンは意外とお客様のことを観察しているものです。自分が担当したその日のチェックインのお客様の顔、名前、部屋番号くらいは覚えてしまうスタッフも多いと思います。(規模が大きく部屋数が多いところはさすがに無理でしょうけれど)
例えお客様が悪いことをするつもりは全くなかったとしても、フロントスタッフの頭の片隅にはちょっと気になったこととしてインデックスされる可能性はありますので、それが嫌な方は読めるように書いて、スタッフをあまりいじめないようにしていただきたいと思います。


