2025.02.11 14:15

元ホテルマンが教える「チェックイン時に偽名を書いたらどうなる?」

Getty Images

そもそもの理由は?

宿泊者名簿を書く理由は、集団食中毒や伝染病などが発生した場合に、感染ルートをさかのぼって特定できるようにするという目的からです。
advertisement

外国人においては、近年日本国内においてもテロ発生に対する脅威が高まってきている為、不特定多数の者が利用するホテル・旅館等においてはその利用者の安全確保が重要になっているという背景があるようです。

しかしこの旅館業法、現在はネット予約が一般的で、その時に顧客情報も入力している場合がほとんどです。ホテル側は宿泊者情報を受け取っているはずなのにまた書かすのはどうなのか……。正直書きたくないよ……。という意見はよく分かります。けっこう面倒くさいですし、今の時代に合っていないかもしれないとは、正直なところ私も思います。

ホテルによっては厳格に記入を求めないところもあるようです。
advertisement

Getty Images

Getty Images

私の居たホテルでは短期間中での再来者と常連のお客様に対しては名簿の記入を省略していました。以前に書いたことがあるわけで、データが残っているのが分かっているからです。(本来はその都度記入するのが宿側の正しい姿勢だと思います)

個人情報の取り扱いについても十分に注意していて、名簿は必ず鍵の掛かる場所に保管していました。

宿泊者は、この個人情報については必要以上に神経質にならなくて良いと思います。おそらくほとんどのホテルはきちんと取り扱っていると思います。どうしても宿泊に関することでお客様に連絡を取りたい時、とても重要そうな忘れ物で知らせてあげたほうが良いだろうという時に利用することがありますが、基本は利用しません。

まして信用が第一のサービス業であるホテルが名簿業者に横流ししたり、意味もなく宿泊者情報を開示するということはないでしょう。リスクとリターンが全く釣り合わないからです。

宿泊者が宿泊者名簿の記入を拒否したら?

ホテル側が請求したにもかかわらず、宿泊しようとする者が宿泊者名簿の記入を拒否する場合は、宿泊を断られる可能性が非常に高いと思います。

旅館業法第6条第2項に『宿泊者は、営業者から請求があったときは、前項に規定する事項を告げなければならない』とあります。

全く素性が分からない者が、十分納得できる理由なしに拒否している場合は、そこまでして宿泊させるのは宿にとってリスクが高過ぎます。
次ページ > 宿泊者名簿に嘘(偽名等)の記入をしたら?

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事