・米プロバスケットボール(WNBA)
ケイトリン・クラーク(100位)/22歳のクラークは、さまざまな面でNBAを超える記録を打ち立て、影響力が及ぶ範囲を広げている。
・宇宙航空関連
スペースXのプレジデント兼COO、グウィン・ショットウェル(25位)/スペースXを宇宙分野に携わり、NASAや米軍からも信頼される2100億ドル(約32兆円)規模の企業に成長させた。
・音楽産業
テイラー・スウィフト(23位)/世界各地を巡った『THE ERAS TOUR』で興行収入の記録を打ち立てただけでなく、経済面においても業界を変えようとしている。米司法省がチケット販売大手、チケットマスターを反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで調査するきっかけを作ったのは、テイラーだ。
・ストリーミングサービス業界
ネットフリックスの最高コンテンツ責任者(COO)のベラ・バジャリア(62位)とAmazon MGMスタジオの責任者、ジェニファー・サルケ(65位)/世界の数十億人が視聴するものを決定づけるアルゴリズムとデータだけでなく、世界文化を形作る声や物語もコントロールしている。
・金融市場インフラ
ナスダックの会長兼CEO、アディナ・フリードマン(46位)とニューヨーク証券取引所(NYSE)の社長、リン・マーティン(47位)、香港証券取引所のCEO、ボニー・チャン(61位)/ますますデジタル化する経済において、資本フローの再考を促している。
・経済政策
英財務相のレイチェル・リーブス(39位)、インド財務相のニルマラ・シタラマン(28位)、オーストラリア準備銀行(中央銀行)の総裁、ミシェル・ブロック(45位)、インドネシア財務大臣、スリ・ムルヤニ・インドラワティ(49位)/急速に変革を進める強力なグループ。
・金融業界
米政府系住宅金融機関、連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)のトップであるプリシラ・アルモドヴァール(38位)は、S&P500構成銘柄に含まれる企業を率いるただ1人のラテン系のCEO。また、企業が技術や規制の変化を乗り超えていく上で欠かせない力となっているコンサルティング会社の大手EYでは、ジャネット・トランケール(44位)が初の女性CEOに就任した。
シンガポールの大手銀行OCBC(オーバーシー・チャイニーズ銀行)では、ヘレン・ウォン副社長(ランク外)が女性として初のCEOに就任している。
塗り替えられた勢力図
米ドラッグストアチェーンCVSがカレン・リンチCEO(2023年に6位)を解任するなど、伝統的に強い影響力を持ってきた分野の一部では、こうした変化に後退も見られる。だが、世界的な変革の中心となっているその他の分野では、女性たちが力を増している。そうした中で浮かび上がってきたのは、影響力の新たな勢力図だ。今年の「最も影響力ある女性100人」リストにその名を連ねた女性たちがそれぞれの活動において担当する各国のGDPの合計は、およそ33兆ドル(約5010兆円)。影響を与えている人の数は、10億を超える。
つまり、既存の「権力の回廊」が依然として変化を拒み続ける一方、女性の影響力はかつてないほど、広範囲に及んでいる。女性リーダーたちは、変化が影響力の価値交換媒体である世界において、ただ変化に加わっているだけでなく、変化を「設計」している──集団としての女性の力は、増大し続けている。
最新のランキングに入った女性たち100人のリストは、フォーブスの英語版サイトで公開されている。
(forbes.com 原文)