マンゴのトニ・ルイス最高経営責任者(CEO)は、アンディク会長が死亡したと発表したが、事故の詳細については明らかにしなかった。
地元を管轄するカタルーニャ州警察は米CNNの取材に対し、バルセロナ近郊の観光地コイバト洞窟付近にある深さ約100メートルの渓谷に71歳の男性が転落したとの通報を受けたと語った。警察は現場で遺体を回収したが、その時点では身元は確認できなかったという。一方、事故に詳しい消息筋は同局に対し、転落したのはアンディク会長だと述べた。
カタルーニャ州のサルバドル・イヤ州知事は短文投稿サイトのX(旧ツイッター)に、アンディク会長は「カタルーニャ州と世界のファッション業界に忘れがたい足跡」を残したと投稿。同州を「偉大にし、世界的に有名にした」として、同会長の功績をたたえた。
フォーブスの推定によれば、アンディク会長と一族が保有する資産は約45億ドル(約6900億円)に上る。アンディク会長の息子ジョナサンはマンゴの取締役会の役員で、同会長の推定相続人だ。
マンゴのウェブサイトによると、アンディク会長は1953年にトルコのイスタンブールで生まれ、14歳でスペインのバルセロナに移住した。1984年に弟のナフマンとともに最初の衣料品小売店を開店。以後、2人はスペイン全土にとどまらず、隣国のポルトガルやフランスにマンゴの店名で事業を拡大した。1992年に国際展開を開始したマンゴは、2007年には1000店舗目を達成した。同社は現在、世界120カ国で2100店以上の店舗を展開し、1万5500人以上の従業員を抱えている。海外事業は同社の収益の約4分の3を占める。
(forbes.com 原文)