トランプが再選した今、敗北候補を支えた著名人たちはトランプからの報復に遭うことはないのだろうか。
嫌いなやつは見過ごさない
大前提、大統領は基本的人権を擁護する立場にあり、彼らは米国憲法修正第一条で表現や信教の自由を保障されているため、公然と反意を表明したアーティストたちを中傷、批判することは違法行為になる可能性が極めて高い。しかし、黙って見過ごさないのがトランプだ。前就任時には自らのSNSで、彼のやり方に批判的な著名人を特定し攻撃。さらに民意を煽動し、非難することも平然と繰り返されていた。
今回もトランプはテイラー・スイフトがハリス支持を表明した5日後に、「テイラー・スイフトは大嫌いだ」と自身のソーシャル・プラットフォームであるトゥルース・ソーシャルに寄稿。
10月25日、ビヨンセがハリスのヒューストン集会に登壇すると、トランプは「彼女はファンを裏切った。期待されていたパフォーマンスをせず、ハリス支持の話をしただけだ。不完全な出演は大失敗した」とFOX社が運営するニュースサイトに虚偽の情報を流した。
式典不参加か
今後も大統領就任式、ホワイトハウス式典、国賓歓迎晩餐会、公式晩餐会など著名俳優やアーティストが大統領に招待される機会が多々あるが、今後のトランプの対応が気になるところだ。2017年には、米国の俳優やアーティストに贈られる賞のなかで最も品位が高いとされるケネディー・センター名誉賞の授賞式に、トランプ夫妻は欠席。受賞者のなかでアーティストのライオネル・リッチーやテレビ番組プロデューサーのノーマン・リアがトランプ政権を非難していたからだ。授賞式前に行われるホワイトハウスでのレセプションも中止するという、いずれも前代未聞の行動に出た。
こうしたことから、来年の大統領式典やケネディ名誉賞授賞式での動きに関心が集まる。出席したとしても、トランプの選挙戦を支援した俳優のジョン・ヴォイト、ジェームス・ウッドやアーティストのテッド・ヌー・ジェントなど極右的言動で著名な芸能人で埋め尽くされるだろう。