欧州

2024.12.12 18:00

ロシア南部の軍用飛行場にウクライナの攻撃 ATACMSや「パリャヌィツャ」使用か

Mike Mareen / Shutterstock.com

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ウクライナの前線から150kmほどしか離れていないロシア南部ロストフ州タガンログの軍用飛行場は、ウクライナが種類・数量ともに増やしている深部打撃兵器のお気に入りの目標のひとつだ。

ウクライナの陸軍、空軍、国防省情報総局は新たに、米国製ATACMS戦術弾道ミサイル、対地攻撃用に転用した旧ソ連製S-200防空ミサイル、そして長距離攻撃ドローンを組み合わせて、この飛行場と、ロシアの航空機メーカー、ベリエフの隣接する工場を攻撃した可能性がある。

10日から11日にかけての夜に行われたこの攻撃に使われた兵器のひとつは、ターボジェットエンジンを搭載するウクライナ国産の新型攻撃ドローン「パリャヌィツャ」だった可能性がある。攻撃時の現場の様子とされる映像では、複数のものが爆発している。
タガンログへの攻撃にパリャヌィツャが投入されたのだとすれば、それは理にかなっている。

GPS(全地球測位システム)誘導とみられるパリャヌィツャは最大射程が700kmとされ、ウクライナの最も長射程の縦深打撃兵器であるA-22軽量スポーツ機改造型ドローンほど遠くまでは飛べない。50kgほどの単弾頭のパリャヌィツャは、数百発の子弾をばらまくクラスター弾頭型のATACMSのように広範囲を破壊することもできない。

しかし、たとえばベリエフが製造しているA-50早期警戒管制機の格納庫のような、あまり防護が厚くなく、ウクライナ側からせいぜい数百kmの範囲にある建造物に打撃を与えたい場合、パリャヌィツャの一斉発射がうってつけだ。

ターボジェット推進ドローンの価格は1機10万ドル(約1500万円)程度で、実質的な小型巡航ミサイルとしては安価だ。低コストのカギは設計がシンプルなことにある。パリャヌィツャは大きな木箱に入って工場から届き、シーカーと翼は発射前に胴体にボルトで取り付ける。

パリャヌィツャは台車に載せられて滑走路を走り、揚力を得ると台車を捨てて飛び立つ。GPS誘導だとすると、格納庫のような大きな建造物なら確実に命中させられる程度の精度があるはずだ。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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