3. 支出を吟味する
予算を立てるのは、資産形成の始まりにすぎない。自分が何にお金を使っているのかを実際に確認して、予算をきちんと守る必要がある。何気ない少額の支出や、収入増による生活様式のゆっくりした変化に伴う支出増加(ライフスタイル・クリープ)が積み重なると、経済的な目標達成の足を引っ張ることになりかねない。お金の使い道を定期的に見直すことで、道を踏み外さずにいられるはずだ。支出把握に役立つツール
家計簿がつけられる「YNAB」などのアプリがあれば、支出管理がラクになる。単純なスプレッドシートでもいい。
4. 財務目標を設定する
短期、中期、長期の財務的目標を設定すると、取り組むべき対象ができる。夢に描いたバケーションでもいいし、借金返済でもいいし、早期退職でもいい。目標があれば、計画どおりに頑張ろうというモチベーションが生まれる。目標設定は「SMART」に
目標を設定するときは、具体的(Spesific)で、測定ができ(Measurable)、達成可能で(Achievable)、関連性があり(Relevant)、期限が明確な(Time-bound)ものにしよう。たとえば、単に「お金を貯める」より「2年以内に住宅ローン頭金のために3万ドルを貯める」という目標のほうがいい。
5. 生命保険に加入する
生命保険は、資産形成の手段には思えないかもしれないが、自分の経済的な土台を守る上で欠かせないものだ。生命保険に入っていれば、自分の身に何かが起きても、大切な人が生活に困らず、経済的に安定した暮らしを続けることができる。生命保険を選ぶときのポイント
・ニーズに応じて、定期型か終身型か選ぶ
・現在の収入額や、未払い分の借金を十分にカバーできる金額の生命保険に入る
6. 借金をしない
借金は、資産形成の前に立ちはだかる大きな壁だ。住宅ローンなどの戦略的になり得る借金もあるが、クレジットカードをはじめとする利息の高い消費者債務は資産を削り、貯蓄や投資にお金を回しにくくなる。借金をしないためには
・借金はできるだけ早く完済する
・支出が収入を上回らない暮らしを心がけ、ライフスタイル・クリープに陥らないよう気を付ける
7. 投資する
貯蓄するだけではお金持ちになれない。資産を増やしたいなら投資だ。複利(当初の元本と累積した利益の両方を再投資して収益を得ること)は、資産形成の強力な手段となる。投資初心者の最初のステップ
・確定拠出年金や退職金積立制度を活用する
・分散投資する
・何から始めればいいのかわからないときは、プロに相談する
最後に
結局のところ、お金持ちになるために必要なのは、運や秘策ではない。賢い金銭的決断を一貫して長期的に続けていくことが重要だ。ここで紹介した7つのポイントを守れば、家計の健全性が増すのはもちろん、長期的な資産と経済的安定の土台作りもできる。今日の小さな一歩が資産形成を後押しすることを忘れないでほしい。(forbes.com 原文)