ビットコインは、米東部時間11日の午後3時過ぎに前日比約6%高の10万1300ドルに上昇した。これに先立つ2日間は下落が続き、一時は9万4000ドル台に沈んでいた。
ビットコインの価格は、4日に史上初めて10万ドルを突破し、史上最高値の10万3844.05ドルを記録していた。
10万ドル台への復帰は、米労働省が11日に発表した11月のCPIが前年比で2.7%上昇し、前月の2.6%と比べて上昇率が加速したことを受けてのものだ。前月比では0.3%の上昇で、前年比と前月比の両方がアナリスト予想と一致した。
ビットコインの価格は、大統領選の前日の11月4日から12月4日までの間に52.8%上昇していた。この期間中にビットコインは、史上初めて8万ドルを突破してから3日後に9万ドルに到達し、さらにその3週間後に10万ドルを超えていた。
11月のインフレ率が予想と一致したことから、アナリストは米連邦準備制度理事会(FRB)が来週利下げに踏み切る可能性が高いと考えている。資産運用大手フィデリティによれば、利下げへの楽観的な見通しは、暗号資産のようなアセットの流動性を高めることにつながり、ビットコインの価格の上昇につながる傾向があるという。
ビットコインは、大統領選の前から上昇基調にあり、年初から10月末までの上昇率は70%に達していた。この上昇は、米証券取引委員会(SEC)が1月にビットコインの現物ETFを承認したことを受けたものだ。
一方、ドナルド・トランプ次期米大統領は、かつて暗号資産に批判的な立場を取っていたが、今年の選挙キャンペーンにおいては、米国を「暗号資産の世界的中心地」にするとの公約を掲げた。トランプは、ビットコインのマイニング(採掘)を後押しする姿勢を示し、自身の名を冠したNFTシリーズを販売していた。フォーブスは、9月末時点で次期大統領の60億ドル(約9140億円)の資産のうちの約300万ドル(約4億5600万円)が暗号資産に投資されていると推定していた。
トランプは、SECの次期委員長に暗号資産の支持派であるポール・アトキンスを指名した。暗号資産に厳しいスタンスをとってきたゲーリー・ゲンスラー現委員長は2025年1月20日に退任すると発表している。
(forbes.com 原文)