北米

2024.12.12 10:30

ノーベル賞受賞者77人、トランプによるケネディ起用に「反対」

ロバート・ケネディ・ジュニア(Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)

ロバート・ケネディ・ジュニア(Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)

77人のノーベル賞受賞者らが、ロバート・ケネディ・ジュニアの米保健福祉省長官への指名に反対する考えを米上院に宛てた12月9日付けの書簡で表明した。ニューヨーク・タイムズ(NYT)が報じたこの書簡は、ドナルド・トランプ次期大統領が指名したケネディが、公衆衛生を危険にさらし、「健康科学における米国の世界的リーダーシップを損なう」と警告するもので、議員らにケネディの指名を拒否するよう求めている。

彼らは、ケネディのワクチンへの懐疑的な姿勢や飲料水のフッ化物添加に対する批判、エイズに関連する陰謀論への支持などを理由に挙げて、保健福祉省長官への指名に反対している。また、彼が「公衆衛生への脅威になる」と指摘している。

この書簡に署名した著名なノーベル賞受賞者には、2024年の経済学賞受賞者であるサイモン・ジョンソンとダロン・アセモグル、2024年の医学賞受賞者であるビクター・アンブロスとゲイリー・ラブカン、2023年に新型コロナワクチンの1つを開発した功績で医学賞を受賞した免疫学者のドリュー・ワイスマンらが含まれている。

トランプの政権移行チームの広報担当者は、この書簡の公開を受けてNYTに次のようにコメントした。「米国民は、エリートたちからあれこれ指図されることにうんざりしており、この国の医療システムは壊れている。ケネディは、トランプ大統領のアジェンダを実行し、医療の信頼性を取り戻し、アメリカを再び健康にする」

元ニューヨーク市長で、公衆衛生プログラムへの大口寄付者であるマイケル・ブルームバーグは、トランプ大統領にケネディの起用を再考するよう呼びかけた。彼は、ワクチンの懐疑論を流布するケネディの任命が「大規模な医療過誤」に等しい指摘し、「上院には、ケネディという極めて危険な指名を阻止する義務がある」と語った。

一方、11月22日に発表されたCBSニュースとYouGovが共同で実施した世論調査では、回答者の47%がケネディの保健福祉省長官への指名を「良い選択」だと回答した。彼の指名を「良くない」と答えたのは34%で、19%は「よく知らない」と回答していた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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