彼は、2021年に同僚のコンスタンチン・ストラックとイグナシオ・レオンハルトらと共に、チューリッヒでKyan Health(カイアン・ヘルス)を設立した。同社は2024年11月26日、シリーズAラウンドで1270万ドル(約20億300万円)を調達し、累計調達額が(約29億1800万円)に達したと発表した。
「多くの組織はメンタルヘルスとウェルビーイングの重要性を主張しているが、そのための努力が不十分だ」とゲオルギウは述べている。カイアン・ヘルスは、テクノロジー主導のソリューションを企業に提供することで、人々のメンタルヘルスの課題を解決しようとしている。
同社は、新規顧客を獲得するたびに、その組織の従業員に非公開のアンケートに答えてもらい、ストレスの原因や不安などに関する意見を聞いている。同社は、このアンケート結果をもとに従業員にサポートを提供するほか、組織内のどこにリスクがあるかを評価し、職場をより良い場所にするための方法を提言している。その中には、特定の管理職に対して、よりオープンなコミュニケーションの取り方を指導することや、特定の慣習を見直すことなどが含まれる。
カイアン・ヘルスは、その斬新なアプローチによって、既に多くの顧客を獲得している。その中には、日立製作所の子会社でスイスに本社を置く日立エナジーやドイツ取引所などの大手のほか、スイスのスポーツブランドのOn(オン)のようなメンタルヘルスの問題に早い段階から取り組む新興企業が含まれている。
4万人の従業員を抱える日立エナジーの最高人事責任者であるアヒム・ブラウンは、「カイアン・ヘルスは、組織と個人を同時にサポートする唯一のプロバイダーだ」と述べている。こうした成功により、カイアン・ヘルスは投資家たちからも信頼されている。
今回のラウンドは、スイスコム・ベンチャーズが主導し、グレイマター・キャピタルやnaturalX、 ヘルス・ベンチャーズ、ファウンダーフル、ジョイアンス・パートナーズのほか、複数のエンジェル投資家が参加した。
スイスコム・ベンチャーズのビクトリア・リエータは、「カイアン・ヘルスは、予測可能で拡張可能なソリューションを提供することでグローバル企業のニーズに対応している」と述べている。
ゲオルギウは、新たに調達した資金をプロダクトの開発に充当すると述べている。彼は、カイアン・ヘルスの予測分析能力の向上を特に重視しており、顧客が将来直面する可能性のある問題をより早く察知するために、データをもっと活用したいと考えている。「問題が顕在化する前に、データから得られるインサイトを用いて適切に対処することが大切だ」と彼は語った。
(forbes.com 原文)