18回目を迎えたこの年次リストは、過去1年間で自らの資産から多額の寄付を行った15名を、順位づけを行わずに選出している。
中国のスマートフォン大手シャオミ(小米)の共同創業者、雷軍(レイ・ジュン、54)は、昨年末に母校、武漢大学の創立130周年を祝うため、13億元(約270億円)を寄付した。この資金は、数学や物理学、コンピュータサイエンスの研究や、才能ある学生の支援に充てられる予定だ。同大学によると、レイの寄付は卒業生によるものとして過去最大であり、中国の大学における個人からの現金の寄付としても史上最高額という。
日本の衣料品チェーン、ユニクロを運営するファーストリテイリングの会長兼社長である柳井正(75)は、10月にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の人文科学部に3100万ドル(約45億5000万円)を寄付した。同大学によると、これは同校の人文学部に対する史上最大の寄付であり、同じく柳井による2020年の2500万ドル(約38億円)の寄付に続くものだという。
この寄付金は、2014年に柳井からの250万ドル(約3億8000万円)の寄付を受けてUCLAで設立された「柳井イニシアチブ・グローバル・ジャパン・ヒューマニティーズ・プロジェクト」の活動を支援するために用いられる。同イニシアチブは、柳井の出身校である東京の早稲田大学と提携して運営されている。
日本で最も裕福な人物である柳井は、家族と共に486億ドル(約7兆3400億円)の資産を保有している。
シンガポールからは、メタ(旧フェイスブック)の共同創業者のエドゥアルド・サベリン(42)と妻のエレイン(40)らが本リストに選出された。2人は、9月にシンガポール・アメリカン・スクール(SAS)に2000万シンガポールドル(約22億6000万円)を寄付した。この寄付は、68年の歴史を持つ同校にとって過去最大のものであり、STEM教育のためのラボや、中国語の没入型プログラム、建設中の新たな小学校などに使用される。
デザインソフトCanvaの共同創業者も
オーストラリアからは、デザインソフトウェア企業Canva(キャンバ)の共同創業者でCEOのメラニー・パーキンス(37)と彼女の夫でCOOのクリフ・オブレヒト(38)らが選出された。2人が設立したCanva財団は、2022年中頃から2023年末にかけて3200万豪ドル(約32億円)を寄付し、このうち2300万豪ドル(約22億円)を、ケニアやウガンダなどのアフリカ諸国で活動する財団のGiveDirectlyの支援に注いでいた。Canva財団はまた、アフリカの南部とインドの40万人の学生に、より良い教育を提供し、貧困の連鎖を断ち切るためのパイロットプログラムに740万豪ドル(約7億2000万円)を寄付した。
Canvaを2013年に共同創業したパーキンスとオブレヒトは、2021年に生涯のうちに資産の大部分を寄付することを誓う「ギビング・プレッジ」に署名した。米アドビの主要な競合企業とされるCanvaの評価額は、直近で320億ドル(約4兆8000億円)とされていた。
本年度のヒーローズ・オブ・フィランソロピーの全受賞者の詳細は、こちらのリンクから確認できる。
(forbes.com 原文)