チューリヒ、ウィーン、ジュネーブといった欧州の都市が駐在員にとって最高の場所として上位に君臨しているが、オークランドやバンクーバーといった英語圏の都市も10位以内に入った。
ランキングの仕組み
マーサーは、多国籍企業や政府が駐在員を海外に派遣する際、支払うべき報酬の額を検討できるよう、世界各都市の生活環境や費用を調査し、格付けした。調査の範囲は、各都市の気候、疾病と衛生水準、物理的な遠隔性と通信環境、政治的・社会的環境、暴力や犯罪にわたる。ランキングでは、米国のニューヨークを基準都市とし、世界の241都市を比較した。上位の都市が高く評価された理由
ランキングで1位となったのは、優れた公共サービスや低い犯罪率、活気ある文化環境で高評価を得たスイス北部のチューリヒだった。だが、米ブルームバーグ通信が指摘するように、チューリヒやジュネーブといったスイスの都市で豊かな生活を送るには、大きな金銭的負担が伴う。2位にランクインしたオーストリアの首都ウィーンは、英経済誌エコノミストの調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が先に発表した「世界で最も住みやすい都市ランキング」では1位を獲得しており、生活基盤や文化、娯楽に加え、医療や教育が充実していることに定評がある。
ちなみに、今回のマーサーの報告書で4位だったデンマークの首都コペンハーゲンは、EIUのランキングでは2位だった。デンマークは自己申告による幸福度と医療制度の面で、この種のランキングでは常に上位に名前が挙がる国だ。同国では、国民が医療機関にかかる頻度は平均で年に11回だという。