それに比べれば、ウクライナ軍が突出部から連携のとれた撤退をするほうがまだ多少はましだろう。そうすればウクライナ側は部隊を保存できるが、やはりロシア軍に、南のベリカ・ノボシルカから北のポクロウシクまで、前線を真っすぐにするのを許すことになる。前線を直線化できれば、ロシア軍は最終的にポクロウシクを攻囲する際に自陣の翼側への脅威を減らせる。
一方、ウクライナ軍が突出部で持ちこたえれば、ロシア軍は翼側への危険は覚悟のうえでポクロウシクへの攻撃に出るかもしれない。
いずれにせよ、ポクロウシクの攻囲がどのくらい早く始まるかは多くの要因に左右される。冬の天候が影響する可能性もある。ロシア軍は、ロシア西部クルスク州のウクライナ側突出部に対する攻撃でかさんでいる損害によって、全体の戦力が弱体化していくかもしれない。
また、来月発足するドナルド・トランプ次期米政権がウクライナへの援助を停止し、ウクライナ軍は不可欠な弾薬を受け取れなくなるおそれもある。
ロシア軍がポクロウシクをどのように攻撃するかは、向こう数週間で決まるはずだ。攻撃するかどうかはすでにかなり明らかだ。CDSは「来るポクロウシク戦は、敵による南西戦域での2024年攻勢作戦のクライマックスになる」と予想してきた。
ウクライナ軍はベリカ・ノボシルカ周辺で小規模な攻撃をしても、ポクロウシクに対するロシア軍のはるかに大規模で、おそらく避けがたい攻撃を阻止することはできない。
(forbes.com 原文)