宇宙

2024.12.10 17:00

コールドムーンがすばると共演、ふたご座流星群が極大を迎える今週の夜空

米アリゾナ州トゥーソン郊外にある米国立科学財団(NSF)キットピーク国立天文台のマクマス-ピアス太陽望遠鏡の上に降りそそぐ、ふたご座流星群の流れ星(KPNO/NOIRLab/NSF/AURA/R. Sparks)

米アリゾナ州トゥーソン郊外にある米国立科学財団(NSF)キットピーク国立天文台のマクマス-ピアス太陽望遠鏡の上に降りそそぐ、ふたご座流星群の流れ星(KPNO/NOIRLab/NSF/AURA/R. Sparks)

今週の夜空にも見どころがたくさんある。流星群や満月が楽しみなのはもちろんだが、まずは暗くなってから、じっくり時間をかけて夜空を見わたしてみよう。

夕暮れ時に南西の空を見上げると、金星がひときわ明るく輝いている。それから東の空に目を転じれば、年にいちどの「衝(しょう)」を先週末に迎えて明るさが最高潮に達したばかりの木星が、おうし座の星々の間に光っているのが見えるだろう。木星の上方にきらめく星屑は散開星団のプレアデス星団(すばる)で、肉眼でも確認できる。しばらく待っていると、東から火星が昇ってくる。まさに惑星のパレードといった趣だ。

12月第2週の星空観察について知っておきたいことをまとめた。

12月13日(金):月とプレアデス星団が大接近

満ちていく月が夜空に君臨し、木星やおうし座のプレアデス星団とランデブーする。日没後に東の空を見てみよう。14日未明には、月がおうし座のプレアデス星団の手前を横切る「プレアデス星団食(すばる食)」も起こる。

月とおうし座のプレアデス星団。スウェーデン・キルナにて(Getty Images)

月とおうし座のプレアデス星団。スウェーデン・キルナにて(Getty Images)

12月14日(土):ふたご座流星群が極大

今年のふたご座流星群は、満月の直前に極大となるため「当たり年」とは言えない。多くの流れ星が見られる「極大夜」(13日夜~14日明け方)にも、1時間に120個流れるはずの流星のすべてを見ることはできないだろう。とはいえ、今週の夜空にきらめく光の筋が走るのを見かけたら、それはおそらくふたご座流星群の流れ星だ。

母天体は彗星ではなく、地球近傍小惑星(3200)フェートン(ファエトン)である。

12月15日(日):「コールドムーン」の満月が「守護星」とともに昇る

今年12回目にして最後の満月は、北米先住民の風習に根差した農事暦で「コールドムーン」と呼ばれる。「ロングナイツムーン(長夜の月)」や「ムーンビフォアユール(ユール=クリスマスの前の月)」という異称もある。

イタリアの城砦ロッカ・カラッシオの背後に昇る「コールドムーン」の満月。2023年12月27日撮影(Lorenzo Di Cola/NurPhoto via Getty Images)

イタリアの城砦ロッカ・カラッシオの背後に昇る「コールドムーン」の満月。2023年12月27日撮影(Lorenzo Di Cola/NurPhoto via Getty Images)

満月は、4つの明るい星を引き連れて昇ってくる。暗くなってから空を見上げると、月の左上にぎょしゃ座のカペラ、左下にふたご座のポルックス、右上に木星、右下にオリオン座のベテルギウスが輝いているのが見えるだろう。

「コールドムーン」は1年間で最も高く昇る満月

北半球から見た12月の満月は、今年最も高い位置に見える満月である。これは、天球上における月の通り道「白道(はくどう)」が、太陽の通り道「黄道(こうどう)」とほぼ同じところを通っているためだ。

北半球から見ると、12月の太陽の南中高度は1年間で最も低い。満月は常に太陽と正反対の位置にあるため、冬至の頃の満月は、夏至の頃の太陽と同様に、1年間で最も高い位置に昇るのだ。月の出ている時間の長さも、1年間のどの満月よりも長くなる。

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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