もっとも、バンなどに乗って戦闘に赴けば殺されずに済むのかといえば、そういうわけでもない。ウクライナ軍の侵攻先であるロシア西部クルスク州で5日かその少し前、ロシア軍のある歩兵分隊がUAZ-452「ブハンカ」4輪車のカーゴトラック型の開放式荷台に乗って、ウクライナ側の陣地に向かって平原を疾走してきた。
あまり先までは進めなかった。ウクライナ軍のFPV(一人称視点)ドローンが狙いをつけて襲いかかった。UAZの運転席の上部にはドローン対策のケージが追加されていたが、荷台はむき出しだった。ドローンは歩兵たちの間で爆発し、UAZも動けなくなった。乗員と歩兵少なくとも1人は脱出したが、歩兵少なくとも1人は負傷したらしく、炎上する車両から転がり落ちるように降りて地面を這っている。
FPV strike on Russian assault group on UAZ Bukhanka which was trying to attack Ukrainian positions in the Kursk region. pic.twitter.com/vkL6WPlBDp
— Special Kherson Cat 🐈🇺🇦 (@bayraktar_1love) December 5, 2024
UAZを強襲車両に使用する例はこれまであまり見られなかったが、ロシア軍は装甲車不足が深刻化しているだけに今後は珍しくなくなるかもしれない。ロシアはこの戦争を通じて装甲車を平均で毎日10両ほど失っている。この秋、1年にわたるロシア軍の攻勢が激化すると、損失率は著しく上がった。9月のある破滅的な日に、アナリストのアンドルー・パーペチュアはロシア軍の装備の損害を185点かそこら確認している。
ロシアの産業界が装甲車を月に何両生産しているのか、あるいはロシアが長期保管していた古い車両を何両回収できているのか、正確なところはロシア政府関係者以外誰にもわからない。