地域の人たちに無償で株を分配
PlanetDAOの発起人でもあり、DAOの管理も担う「Planet Labs」代表取締役の西村環希さんは、本事業のユニークネスを次のように語る。「PlanetDAOは、出資者と地域住民が株式を保有することで、寺の運営の議決権が持てる民主的な仕組みだということ。地域外の人たちは出資という形で議決権を得ますが、地域住民には、無償で株が分配されます。配当金は出資者にしか配られませんが、全体の1/3の株を地域住民が保有しています。1/3に設定したのは、株主総会で特別決議を単独で否決する権限が持てるため。地域住民に安心してもらうことが、本事業の推進には不可欠だからです」
神社仏閣は地域の祈りの場で、コミュニティとしての機能を持ち合わせている、極めて社会的な存在ゆえ、一般人や民間企業に譲渡したり、資金提供を受けたりすることが難しい建物。
「資金提供の難しさが、後継者不足を加速させているため、歴史的建造物に特化したPlanetDAOのようなグローバル不動産ファンドが有効だと考えました。こうした仕組みを使えば、世界中の人たちと日本の地域文化を守っていくことができるのです」(西村さん)
来年には6件、再来年には30件のリリースを目標にしていると語る西村さん。かつて、インバウンド向けの新規事業を立ち上げた経験から、日本の文化や歴史が、3000万人の海外観光客を魅了していることを肌で感じてきた一人でもある。
「インバウンドへの期待は高まる一方で、外国人が好むコンテンツに洗練されていないのが課題だと感じています。でも、DAOであれば、海外の出資者自らが寺の運営にコミットしてくれる。すでに楞厳寺に出資してくれた外国人投資家たちは、オンライン上で、自分たちが体験したいコンテンツについて話し合っています」
「日本人が考えるインバウンド向けの企画ではなく、当事者が考えるインバウンド向け企画を走らせることができるのも、本事業の面白さなのです」


