2024.12.12 08:15

2025年の旅行トレンド9 宇宙や長寿など旅行も多様性へ

9つの2025年旅行トレンドを発表する、Booking.com日本・韓国リージョナルマネージャー:ルイス・ロドリゲス 氏

9つの2025年旅行トレンドを発表する、Booking.com日本・韓国リージョナルマネージャー:ルイス・ロドリゲス 氏

デジタル旅行プラットフォーム大手「Booking.com 」は、33カ国・地域の27,000人以上の旅行者を対象に大規模な調査を実施し、2025年の旅行スタイルを象徴する「9つのトレンド」を発表した。調査の結果、多くの旅行者は「旅に出るのを控える」のではなく、「自分を取り巻く世界との関わり方や体験の仕方を再構築したい」と考えていることが明らかになった。以下は調査結果から導き出された9つの旅トレンドだ。
 

1.宇宙を体感するナイトツーリズム

宇宙旅行が現実味を帯びる中、夜間アクティビティへの関心が高まっている。世界の旅行者の62%(日本は42%)が「夜の体験に興味がある」と回答。具体的には天体観測、星空ガイド、一生に一度の天文現象との出会い、星座を観測するコンステレーション・トラッキングなどを体験したいと答えた。また、昨今の気候変動もこのトレンドに影響を及ぼしているようで、暑さや紫外線を避けるために夜間のアクティビティを求める声も多かった。
 

Gettyimages © Marco Bottigelli
 

2. 長寿を目指す没入型リトリート旅

より良いライフスタイルを築きたいという欲求から、世界の旅行者の60%(日本は34%)が「心身の健康を満たす没入型の長寿リトリートに関心がある」と回答。一時的なリフレッシュを目的とした従来のウェルネス旅行に代わり、より長期的で健康的な人生を追求するための旅が求められているようだ。

 3. 個の欲求を満たすAI活用の旅

AI技術の進化により、世界の旅行者の66%(日本は38%)が「旅行先でのテクノロジー活用」に期待しており、41%は「AIを活用した旅の計画」に興味があると回答。テクノロジー活用で自分仕様にカスタマイズされた体験や効率的なプランニングが可能になる一方で、SNSでのシェアへの考え方は多様化。世界の旅行者の半数近くが「あまり知られていない目的地を訪れる際に、SNSで場所のタグ付けをしない」ことがわかった。情報を公開しないことで、インスタ映えを目的とした観光客がその場所に殺到しないようにするためだ。しかし、Z世代47%とミレニアル世代44%は「場所をタグ付けできないのであれば、その目的地を訪れることを考え直す」と回答。彼らにとってネットで共有できる目的地を見つけことは、旅の中でも重要なポイントのようだ。

 4. 多世代で紡ぐ、心に刻む旅

世界の旅行者の半数近くが「子どもに財産を残すよりも、一生に一度の旅行にお金を使いたい」と考えていた。このように回答したのは、ベビーブーム世代では49%、沈黙の世代(80歳以上) では40%だった。2025年は家族の絆を深めるために、両親が資金面でサポートをする「多世代旅行」が注目を集めそうだ。
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文=福島はるみ

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