いつでも安定したネットワーク環境で作業したいユーザーにとって、Wi-Fiに加え内蔵式5Gモデムが備わっていることは必須とも言える。だが、MacBook Proユーザーは今のところその恩恵を受けられていない状況だ。
Win系ノートPCがMacBook Proを凌駕している点
アップルは、Windows系ノートPCではすでにプレミアム機能とされるセルラー接続を一貫してMacに搭載してこなかった。アップルは、iPhoneとの自動テザリング(スマートフォンをモバイルWi-Fiルーター代わりに用いる機能)で充分だと考えているようだが、この使い方はWindowsユーザーでも利用可能となっている。一方5G内蔵ノートPCを求める職種や「ロードウォーリア」(出張など移動が多く、外出先でも常時仕事をするビジネスパーソン)といった層は確実に存在している。だが、この状況はついに変わるかもしれない。2019年にアップルはインテルのモデム部門を10億ドル(約1498億5000万円)で買収したが、その成果がいよいよ形になりそうなのだ。
次期iPhone SEには、初めてアップル自社製モデムが搭載されるという。クアルコム製と比べれば性能は落ちるものの、iPhone SEが競合する中価格帯の競合機種で比べれば十分戦える仕様になると見られている。
MacBook Proに5Gが搭載されるのはいつ?
アップルはこれで止まらないようだ。ブルームバーグのニュースレター『Power On』で著名記者マーク・ガーマンが報じたところによれば、マーク・ガーマンによれば、アップルは自社製モデムをiPhone SEに搭載し、そこで実績を積んだ後、自社製モデムを低価格のiPadに搭載するとしている。重要なのは、アップルが最初から主要製品ラインに新技術を投入しようとしていない点である。むしろ手順な価格帯の消費者向けデバイスで試し、実績を積んでから段階的に広げていこうとしているわけだ。そしてガーマンによれば、iPhoneやiPadでの実績を確認した後、アップルは自社製モデムへの新たな流れをMacプラットフォームへ向け、その際にはMacBook AirやMacBook Proが最有力候補になるという。
そうなれば、アップルはついにWindowsが先行していた「常時接続」ノートPC分野に追随し、常にネットワークアクセスを求めるユーザーに応える種類を提供することになる。
(forbes.com 原文)