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2024.12.09 11:30

米政府のTikTok禁止でオラクルなどクラウド事業者に「巨額の損失」

TikTokを運営するバイトダンス(CG/VCG via Getty Images)

TikTokを運営するバイトダンス(CG/VCG via Getty Images)

米連邦控訴裁判所は12月6日、中国系のショート動画投稿アプリTikTokの米国内での禁止につながる新法について合憲と判断した。この法律は、TikTokの親会社バイトダンスが本アプリの米国事業を売却しない限り、来年1月19日に米国内でのアプリの利用を禁止する内容で、バイトダンスがその合憲性を巡り訴訟を起こしていた。

この法律はまた、企業がTikTokやバイトダンスのアプリの配信を支援するためのホスティングサービスを提供することを禁止しており、この規定に違反した企業には巨額の罰金が科される可能性がある。

TikTokが結んだ最大のホスティング契約は、米国ユーザーの個人データを中国政府から保護するためのオラクルとの10億ドル(約1500億円)の契約だ。オラクルのエグゼクティブ・バイスプレジデントのケン・グルックは、新法が施行された場合に、このホスティングを1月19日以降は停止する予定だとフォーブスに語った。

「法律においては、19日以降にTikTokにクラウドサービスを提供することが禁じられている。どのような法律であれ、それが現実だ。我々はそれを遵守する」とグルックは続けた。

彼はまた、議会が法律を変更する可能性や、バイデン大統領がTikTokに猶予期間を与える可能性、またはTikTokが控訴している間に法の施行を防ぐために裁判所が差し止め命令を出す可能性についても言及したが、「我々はただのベンダーに過ぎず、法律に従うしかない」と繰り返した。

この問題に直面するのはオラクルだけではない。マイクロソフトは、月額2000万ドル(約30億円)以上の契約で、バイトダンスにOpenAIの大規模言語モデル(LLM)へのアクセスを提供しているが、この契約も影響を受けることになる。

バイトダンスはAWSのホスティングサービスも利用しており、アマゾンの幹部は9月に米議会に呼び出され、同社とTikTokとの関係が強まっていることに関して説明を求められた。また、グーグルも過去にTikTokにクラウドサービスを提供しており、TikTokは2019年に同社のクラウドサービスに8億ドル(約1200億円)以上を支出すると約束していた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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