アジア

2024.12.09 12:30

インドが「脱ドル化」計画を否定、トランプの関税100%警告に反応

2024年10月22日、ロシアのカザンで開催された第16回BRICS首脳会議に参加するインドのナレンドラ・モディ首相。(Stanislav Krasilnikov / Photohost Agency / Handou/Anadolu via Getty Images)

2024年10月22日、ロシアのカザンで開催された第16回BRICS首脳会議に参加するインドのナレンドラ・モディ首相。(Stanislav Krasilnikov / Photohost Agency / Handou/Anadolu via Getty Images)

インドの中央銀行総裁は12月6日、同国が「脱ドル化」を目指す政策をとろうとしておらず、新興国グループである「BRICS」の共通通貨に関しても一切の決定がなされていないと述べた。この発言は、新興国が米ドルに対抗する新たな通貨を創設した場合に、100%の関税を課すとドナルド・トランプ次期米大統領が警告したのを受けてのものだ。
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インド準備銀行(RBI)のシャクティカンタ・ダス総裁は、6日の記者会見で、トランプの発言について質問され、「私たちは『脱ドル化』を目的とするような措置を講じていない」と述べた。同総裁は、単一の通貨に依存することが、その通貨の価値の変動によって問題を引き起こす可能性があることを理由に、インドが特定の状況下におけるリスクを軽減するための「現地通貨建ての貿易協定」を締結したと説明した(インドとアラブ首長国連邦は昨年7月に、両国間の貿易決済を現地通貨で行うことに合意した)。

しかし、ダス総裁は「脱ドル化は決して我々の目標ではない」と改めて述べ、BRICS通貨の概念については、グループの一部メンバーから提案されたものの、この件に関しては何の決定も下されていないと強調した。同総裁は、トランプの関税の警告について質問された際には、「現時点でコメントするのは早急すぎる」と述べ、「まず政策が出てからだ」と付け加えた。

BRICSはブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国の連合として始動した後に、昨年からエジプト、エチオピア、イラン、アラブ首長国連邦(UAE)の4カ国が新たに加わった。
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ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領は、2024年初めにBRICS諸国に対して国際貿易におけるドルに代わる通貨を創設するよう呼びかけた。また、10月にロシアのカザンで開催されたBRICSサミットで撮影された写真では、プーチン大統領がBRICSの共通紙幣に見えるものを手にしていた。

トランプは、11月30日のトゥルース・ソーシャルの投稿で、BRICS通貨のアイデアを非難し、もし新興の諸国がそのような共通通貨を立ち上げた場合、すべてのBRICS加盟国からの輸入品に100%の関税を課すと警告した。

彼は、この投稿の中で、「BRICSが国際貿易において米ドルを置き換える可能性はまったくなく、そんなことを試みる国は米国に別れを言うべきだ」と付け加えた
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脱ドル化を推進すれば「100%の関税」、トランプがBRICS諸国に警告

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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