北米

2024.12.07 11:00

王様のような「トランプの金遣い」、大統領再登板後も続けられるか?

次期米大統領のドナルド・トランプ(Anna Moneymaker / Shutterstock.com)

間もなくトランプは、数キロしか離れていないマイアミの空港と新しく手に入れたゴルフリゾート「トランプ・ナショナル・ドラル」間の移動用として、2500万ドル(約37億円)払ってヘリを購入した。さらに、シカゴに所有するビルを担保にした1億3000万ドル(約195億円)の手形を4800万ドル(約72億円)で購入し、ラスベガスで別のローンを返済するなど、より責任ある金の使い方もした。2012年6月30日までの1年間に、バランスシートを健全化するために7500万ドル(約112億円)の流動性(現金または現金に換えられる資産)を必要としたが、これは年間支出が2億300万ドル(約304億円)だった同年で最大の支出だった。

ゴルフリゾート「トランプ・ナショナル・ドラル」(Jillian Cain Photography / Shutterstock.com)

ゴルフリゾート「トランプ・ナショナル・ドラル」(Jillian Cain Photography / Shutterstock.com)

その後トランプは不動産に没頭した。2012年半ばから2016年半ばにかけて、現金の約8割にあたる6億ドル(約900億円)を買収と不動産開発に注いだ。マイアミのゴルフリゾートを再開発し、欧州で2つのゴルフリゾートを購入。また、ワシントンD.C.のオールド・ポスト・オフィスをトランプ・インターナショナル・ホテルに変えた。その上、大統領選の活動に約6500万ドル(約97億円)を費やした。

ワシントンD.C.にあるトランプ・インターナショナル・ホテル(010110010101101 / Shutterstock.com)

ワシントンD.C.にあるトランプ・インターナショナル・ホテル(010110010101101 / Shutterstock.com)

政治活動は不動産帝国を構築するより安上がりとなった。大統領時代、トランプの不動産開発費は年間1億ドル(約150億円)以上減った。だが、政治には別のコストが必要だった。2016年に大統領選で勝利した直後、トランプが設立した不動産投資講座「トランプ大学」の詐欺疑惑をめぐる訴訟で、トランプは2500万ドルを原告らに支払うことで和解した。これはトランプにとって打撃となり、大統領就任時に密かに借入れすることになった。

記録によると、トランプの2018年6月30日までの1年間の支出額は少なくとも2012年以降最も少ない8300万ドル(約124億円)になり、次の1年間はさらに約3割減って約6000万ドルになった。結局、ワシントンD.C.のホテルも欧州のゴルフコースも黒字化に苦戦し、支出の大半はさまざまな事業を支えるのに使われた。2020年に新型コロナが米国でも広がると、損失は倍増した。「ホテルを閉鎖したり会社を清算したりするとなれば、事業がうまくいっているとは言えないだろう」とトランプはホワイトハウスの会見室で大勢の記者たちに語った。
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翻訳=溝口慈子

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