モンデの最高財務責任者(CFO)のジェシー・テオによれば、クォーンの生産キャパシティは、英国と米国で必要とされる規模以上になっているという。「我々はこの事業に過剰投資していた。設備だけでなく、さまざまな面で」と彼は述べている。モンデは、2015年にクォーンを8億3100万ドル(約1240億円)で買収し、事業拡大のために3億4000万ドルを投資していた。
モンデは、クォーンの従業員数を数百人削減し、工場を閉鎖し、サプライチェーンの効率化を図るとテオは述べている。クォーンは、2021年には900人の従業員を擁し、米国、シンガポール、オーストラリアを含む15カ国に輸出していた。
「彼らは多くの代替肉企業と同様に、この市場を誤って評価していた。もはやフェイクミートの新奇性はなくなり、消費者の関心を集めていない」とマニラのルナ証券のジョン・ガトマイタンは指摘する。
モンデをフィリピン最大のインスタントヌードルメーカーに押し上げたヘンリー・ソエサントCEOは、持続可能で健康的な食生活の世界的トレンドが需要を押し上げるとの期待から代替肉市場への進出を主導した。
クォーンは、2018年に英国で1億5000万ポンド(約286億円)の製造工場を開設し、生産能力を倍増させた。同社は、この施設を「世界最大の代替肉生産工場」と表現していた。
さらに、2021年のフィリピン証券取引所での新規株式公開(IPO)で、約11億ドル(約1650億円)を調達したモンデは、そこから3億3500万ドルをクォーンの米国市場での拡大に投資し、英国での生産能力も拡充した。
しかし、国内外での収益性へのプレッシャーが高まる中、モンデのテオCFOは、同社が英国で5番目の発酵プラントの建設を停止したと発表した。このプロジェクトは50%以上が完成していたにもかかわらずだ。
クォーンは現在、英国の代替肉市場の3分の1のシェアを有しているが、テオによれば、同社は4カ所の発酵プラントのうちの2.5カ所の生産キャパシティしか使用していないという。「市場は縮小しており、多くの設備が稼働していないため、事業の再構築を迫られた」と彼は説明した。
再編の一環として、クォーンは2021年に立ち上げたハリウッド女優のドリュー・バリモアを起用したマーケティングを終了し、米国の市場の拡大に向けて採用した幹部数名を解雇したとテオは述べている。モンデの株価は現在、IPO価格を大きく下回っている。
(forbes.com 原文)