アップルが望む市場規模ではない
筆者は、モトローラの最新モデル「razr+」を使っているが、以前の機種から大幅に改良されており、サムスンなどの折りたたみ式スマホと比べても遜色はない。しかし、メインで使用しているのはiPhone 16 Pro Maxだ。YouGovの調査が指摘しているとおり、筆者は折りたたみ式スマホのメインのターゲットの年齢層ではない。しかし、市場動向や製品の可能性を調査するマーケットリサーチャーの視点で見ると、折りたたみ式スマホの見通しは、世界で年間10億台以上販売されている従来の端末と比べて見劣りする。
筆者は、過去40年以上に渡ってアップルを追いかけており、アップルが折りたたみ式iPhoneを作る可能性について何度も尋ねられてきた。その度に、アップルがラボでさまざまな折りたたみ式モデルを作っていることは確かだが、製品を投入するための投資をするには市場がまだ小さ過ぎると答えている。
アップルは、少なくとも年間3000万~4000万台を販売できると確信できなければ折りたたみ式スマホに投資を決断しないだろう。同社の基準では、この市場はまだ投資に値する規模ではないのだ。
しかし、アップルが折りたたみ式端末の研究成果を、iPadのデザインに応用することは考えられる。筆者は、タブレットのデザインにはイノベーションの余地が多くあると信じており、この分野を主導する同社の役割を考えると、iPadに折りたたみ式のデザインを加えることは理に適っている。
消費者の中は、価格が高くても、最先端の技術で作られた折りたたみ式スマホを欲しいと思う人はいるだろう。しかし、この分野が現在、あるいは将来のスマートフォン市場で重要な位置を占めるようになるには、さらなる関心の高まりが必要だ。
(forbes.com 原文)