また、グーグルはスイス国内に5000人の開発者を抱え、ディズニーやエヌビディア、メタ、ファーウェイ、インテルも同国に大規模な研究開発チームを置いている。
複数のユニコーン
シュトックルは、成功が成功を生んでいると指摘する。「5年前まで、スイスのユニコーン企業は、旅行・観光を手掛けるGetYourGuideの1社だけだったが、今では複数のユニコーンが存在する」と彼は言う。その中には、ロジスティクス企業のScanditや炭素回収を手掛けるClimeworks、インターネット・セキュリティ企業のSonarSource、広く支持されているスポーツ用品企業のOnなどが含まれる。ファウンダーフルの投資家リストには、これらの企業の創業者や幹部が多く名を連ねている。スイス出身の教育テクノロジー企業Duolingo(デュオリンゴ)の共同創業者でCTOのセヴリン・ハッカーもファウンダーフルに出資している。「ファウンダーフルは、欧州で最も有望なVCの1つだと言える」とハッカーは述べている。
ファウンダーフルは、新たなファンドによってスイスで急増しているユニコーンがさらに増えることを期待している。現状で17社に出資している同ファンドは、今の後3~4年でポートフォリオを約40社に拡大する計画で、投資先にはシリコンチップの新たな製造方法を開発中のChiral Nanoや、製造分野の3Dプリンティングを専門とするSaeki Robotics、発展途上国が重要な医薬品を入手できるよう支援するAxmed Healthが含まれる。
シュトックルによると、ファンドの投資家たちは、これらのスタートアップの可能性を信じているという。「スイスは今後、世界のハイテク業界で大国の地位に浮上しようとしている」と彼は語った。
(forbes.com 原文)