欧州

2024.12.05 18:00

ロシア兵、自転車で前線近くを突っ走る 装甲車引き連れ

Shutterstock.com

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ウクライナの前線から1.5kmくらいしか離れていないロシア占領地域のどこかの平原を、自転車に乗ったロシア兵が十数トンの装甲車両を率いて突っ走るという奇妙な光景は、おそらく孤立した出来事ではないだろう。

ロシア軍の一部の方面軍司令部が採用した自滅的な新方針によって、前線の連隊や旅団は、軍用車両の不足を補ううえで頼りにしていた民生車両を奪われてしまった。

民生用の乗用車やトラック、全地形対応車(ATV)、オートバイに乗って戦闘に入るのを禁じられたロシア兵は、代わりに自転車に乗るようになっている。これはウクライナに対する2年9カ月半におよぶ全面戦争で破滅的な損害を被り、着実に退化しているロシア軍の最新にして突拍子もない変化だ。

ロシア軍のドローン(無人機)操縦士らは、自転車に乗った自軍兵士がBMP歩兵戦闘車1両を先導しているのに気づいた。彼らはその後、モニターに映し出されたドローンからの映像や、あっけにとられた自分たちの発言も入った動画をソーシャルメディアに投稿した。エストニアのアナリスト、WarTranslatedがそれに字幕をつけてくれている

「自転車に乗ったやつがBMPを引き連れて攻撃してるぞ!」ロシア兵のひとりはモニターを見て思わず吹き出している。

「マジかよ、自転車で行くなんて……」と別のロシア兵はあきれている。

「チャリ兵を追い越せ。やられるぞ!」という無線の声も聞こえる。露出してのろのろ進んでいるBMPの乗員に向けた指示のようだ。

「こいつはひどい」とロシア兵のひとりがぼそりとつぶやき、ウクライナ軍側に「どう思われているか」と嘆いている。
実を言えば、ウクライナ軍も前線で自転車を使っている。しかし、それは方針として決めたというようなものではない。

ロシア軍は、2022年2月以来、ウクライナでおよそ1万1000両失った装甲車両の一部の代替に民生車両を採用した。多くの場合、ロシア軍の部隊はそうした車両をわざわざ軍の管理当局に登録しなかった。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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