XRP価格の上昇による恩恵をおそらく最も多く受けたのは、このトークンの発行元である米リップル・ラボの共同創業者で会長のクリス・ラーセンだ。保有資産の半分をXRPから得ている彼の資産は、大統領選以降に約33億ドル(約5000億円)から約92億ドル(約1兆3800億円)へと、約60億ドル(約9000億円)も増加した。
トランプが率いる新政権のもとで暗号資産に友好的な規制環境が形成されるとの期待から、XRPの価格が押し上げられている。
2020年12月以降、XRPは米証券取引委員会(SEC)の監視下に置かれており、リップル・ラボは、このトークンを「証券として登録せずに販売した」と非難するSECから訴訟を起こされていた。その後、連邦裁判所は昨年7月に、リップルが公開市場でトークンを販売したことが証券法に違反しないと判断したが、今年10月、SECは控訴裁判所にこの訴えを上訴した。
しかし、トランプが大統領選で勝利したことに加えて、SECのゲイリー・ゲンスラー委員長が来年1月に退任すると発表されたことが、XRPに有利に働くとの見方が浮上している。ゲンスラー委員長は、コインベースやクラーケン、バイナンスなどの取引所に対する一連の訴訟を起こしたことで、暗号資産業界の「宿敵」と呼ばれてきたが、トランプが任命する新たな委員長が速やかに法的問題を解決し、XRPに規制上の「お墨付き」を与えるとの見方が広まっている。
この問題の解決により、XRPの現物価格に連動する複数の現物ETFを証券取引所に上場させるための道が開かれる可能性がある。今年に入り、ビットコインとイーサの価格に連動する複数の現物ETFが承認されたことで、これらの2つのトークンの価格は上昇した。
暗号資産業界では、すでにBitwise(ビットワイズ)やCanary(カナリー)、21shares(トゥウェンティワン・シェアーズ)などの複数の企業が、大統領選の前からトランプの勝利を見越してXRPの現物ETFの申請書類をSECに提出していた。
(forbes.com 原文)