暮らし

2024.12.08 16:00

地元の伝統的な土産に感じた地域との強い絆:The Gift トニー・ウィーラー Heineken Japan

贈り、贈られたモノや体験は、人生を変えるほどの力を持つことがある。企業のトップ、リーダーたちが経験した、モノや体験に介在する特別な思い入れを紹介する。自身の生き方、サクセスストーリーにも影響を及ぼしたであろう「GIFT」の逸話には人間味あふれる姿がある。希薄化も言われる現代の人間関係とは異なる、特別な関係だ。


THE GIFT #18

トニー・ウィーラー
Heineken Japan 代表取締役
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博多三大祭りのひとつである博多祇園山笠。
扇子には祭りの衣装をまとった愛らしい子どもの絵が描かれている。
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2019年のラグビーワールドカップ日本大会。ハイネケンはワールドワイドパートナーであったので、私は開催前にスタジアムのある全国の都市を巡り、飲食業界の関係者や地方自治体のリーダーたちと交流を深めた。

熊本では、当時合弁契約を結んでいたキリンビールの九州統括本部長から手厚いもてなしを受け、九州土産もたくさんいただいた。なかでも印象的だったのが、伝統的な折りたたみ扇子と、ラグビーボールを持ったくまモンのぬいぐるみで、特に扇子に描かれていた鮮やかな博多祇園山笠の絵に、私は深く感銘を受けた。そこには、地域の文化とエネルギーが表現されていたからだ。

ハイネケンは日本大会でのラグビー観戦を通じて地域の文化に溶け込み、「忘れられない体験を通じて人々をつなぐ」というグローバルミッションを成し遂げることができた。これはひとえに、地域パートナーとの強い関係構築の賜物であったと言っていい。この扇子は九州での心温まる交流を象徴する大切な贈り物として、今も自宅のデスクに飾ってある。時折眺めては、いつか実際にこの祭りを訪れることができたらと思いをはせている。


トニー・ウィーラー◎1978年米・ミズーリ州生まれ。ニュージーランドのDB Breweriesでシニアマーケティングマネージャーなどを歴任。2019年Heineken JapanのGMに就任。同年のラグビーW杯のスポンサーシップの成功や、Heineken KIRINを23年にHeineken Japanに移行させた立役者。

文=伊藤美玲 イラスト=東海林巨樹

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