「当社はあらゆるビジネスシーンで意思疎通が図れるようにする必要がある国際的な組織を支援している」とクテロフスキーは話す。「また、グローバル化を目指す企業のサポートも行っている。当社は話し言葉を現地の言語に翻訳することができ、企業が進出しようとしている国で新規雇用するのではなく、すでにいる従業員を投入できるようにしている」
音声翻訳の提供はゲームチェンジャーになるとDeepLは考えている。差し当たってこのサービスは英語、ドイツ語、日本語、韓国語、スウェーデン語、オランダ語、フランス語、トルコ語、ポーランド語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、イタリア語の話者が利用でき、DeepLがサポートする33言語への翻訳が可能だ。「ビデオ通話の翻訳機能は非常に重要になる」とクチロフスキーはみている。「話し言葉は次に開拓すべき分野だ」
同社の音声翻訳をいち早く利用した企業からは絶賛する声が聞かれる。フランスのパン・菓子メーカー、Brioche Pasquier(ブリオッシュ・パスキエ)で海外事業展開のコーディネーターを務めるクリスティン・オーブリーは開発段階で音声通訳を利用した。「DeepL Voiceのおかげで各チームが一つになり、拠点間の溝が埋まって共同作業が行えるようになった」とオーブリーは話す。「他のツールも試したが、大半が会議時の対応言語は1つで、DeepL Voiceのようなもの他にはない」
こうした評価を受けて、投資家はDeepLに強い関心を寄せている。5月に完了した同社の直近の資金調達ラウンドではIndex Ventures(インデックス・ベンチャーズ)やICONIQ Growth(アイコニック・グロース)、Teachers' Venture Growth(ティーチャーズ・ベンチャー・グロース)などが3億ドル(約450億円)出資し、DeepLの評価額は20億ドル(約2985億円)だった。
(forbes.com 原文)