宇宙

2024.12.04 12:30

「クリスマスの星」がきらめき、「冷たい月」が夜空を照らす12月の夜空

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クリスマスの象徴となっている「ベツレヘムの星」──イエス・キリストの誕生を知らせたといわれるその星とは、金星だったのか、木星だったのか、それとも火星だったのか。あるいは3つの星の共演だったのかもしれない。正体は謎のままだが、今月はこれら3つの星がそろって明るさのピークに近づく。

また、1年間で最も高い位置に昇る満月や、三日月と「宵の明星」の美しい共演を楽しめるほか、壮大なオーロラを目撃できるチャンスも膨らむ。

2024年12月の夜空の見どころをまとめた。

細い月と金星が接近

日時:12月5日(木)の夕方~宵
方角:南西の空

金星は今「宵の明星」の異名のとおり、西の空に毎夕きらめいているが、来年2月に「最大光度」となるため非常に明るさを増している。5日の日の入り後には細い月と隣り合い、ひときわ美しい天体ショーを見せてくれる。

木星が「衝」となる

ハッブル宇宙望遠鏡が2020年8月25日に撮影した、木星の可視光画像(左)と紫外線・可視光線・近赤外線による多波長観測画像(NASA, ESA, A. Simon (Goddard Space Flight Center), and M. H. Wong (University of California, Berkeley) and the OPAL team. CC BY 4.0)

ハッブル宇宙望遠鏡が2020年8月25日に撮影した、木星の可視光画像(左)と紫外線・可視光線・近赤外線による多波長観測画像(NASA, ESA, A. Simon (Goddard Space Flight Center), and M. H. Wong (University of California, Berkeley) and the OPAL team. CC BY 4.0)

日時:12月8日(日)の日没後
方角:東の空

この夜、木星と地球、太陽が一直線に並ぶ。1年のうちで最も地球に近づいた木星は、日没とちょうど入れ替わりに東から昇ってきて、満月ならぬ「満木星」の100%の輝きを見せてくれる。

望遠鏡や双眼鏡で木星を観察するのにうってつけの夜だ。「惑星の王」の壮観な姿は、来年1月中旬まで拝めるだろう。

オーロラ

時期:11月中の日没後(可能性あり)
方角:北半球の全天

太陽の活動は現在「極大期」に入り、ここ23年間で最も活発になっている。このため強い太陽風が頻繁に地球に吹き付け、地球の磁気圏で磁気嵐が発生しやすくなっており、通常よりも低緯度の地域でオーロラが出現する可能性が高い。オーロラ予報に注目しておきたい。

「コールドムーン」が昇る

日時:12月15日(日)
方角:東北東

今年12回目にして最後の満月が、4つの明るい星を引き連れて昇ってくる。北米先住民の風習に根差した農事暦で、12月の満月は「コールドムーン」と呼ばれる。「ロングナイツムーン(長夜の月)」や「ムーンビフォアユール(ユール=クリスマスの前の月)」という異称もある。

空が暗くなると、月の左上にぎょしゃ座のカペラ、右上に木星、右下にオリオン座のベテルギウス、左下にふたご座のポルックスが輝いているのが見えるだろう。

夕日を浴びて輝く米ロサンゼルスの市街地と、雪化粧を施したサンガブリエル山脈の背後から昇るコールドムーン(Lisa Bronitt / Shutterstock.com)

夕日を浴びて輝く米ロサンゼルスの市街地と、雪化粧を施したサンガブリエル山脈の背後から昇るコールドムーン(Lisa Bronitt / Shutterstock.com)

月と火星が接近

日時:12月18日(火)
方角:東

火星は来年1月12日に地球に最接近し、同17日には26カ月ぶりに地球をはさんで太陽とちょうど正反対の位置関係にくる「衝」となる。そのため火星は今、非常に明るさを増していて、はっきりと赤く見える。

18日の夜は、欠けはじめた月の右上で、火星が月明かりに埋もれることなく赤く輝き、とても美しい光景が見られるはずだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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