それによると、所属している企業で有料の生成AIを導入しているかの問いに、「はい」と回答したのは20.2%。このうち、導入立案者と運用担当者に以下の質問を行なっている。
まず、社内に生成AIを導入した理由を問うたところ、「リサーチ・分析のため」が33.4%、「顧客対応の自動化のため」が32.5%、「メール・企画書などの文書作成のため」が29.6%となっている。
生成AIを導入して、その効果に満足しているかの問いには、「とても満足している」「やや満足している」を合わせて88.4%が満足と回答。満足度は非常に高いようだ。
ただ、生成AIを導入してみて課題を感じたかの問いには、「かなり課題を感じた」「やや課題を感じた」を合わせて77.6%の人が、課題があると回答。満足度を得られた人たちとあまり変わらない人たちが課題も感じていることがわかった。
導入理由別に課題を感じた人の割合としては、リサーチ分析や顧客対応の自動化のためが多く、情報収集のためはあまり課題を感じていない傾向にある。
課題を感じた点については、「データプライバシーの懸念」が37.0%、「情報漏えい・セキュリティ面の懸念」が36.8%、ハルシネーション(事実とは異なる情報)の発生が30.8%と続いている。やはり、情報漏えいなどのセキュリティ面の課題が大きいようだ。
社内では生成AIの利用についてルールを整備しているかの問いに、多くの企業がすでにルールを整備、もしくは整備の検討・着手していると回答。課題を克服するためには、ある程度自己防衛が必要で、生成AIは便利なものの使い方を誤ると信用問題に直結する恐れがあるという、諸刃の剣のようである。
これから導入する企業も、こうした課題をあらかじめ認識し、社内ルールの構築・徹底をすることが、現状の生成AIとの付き合い方であり、満足度を高める方法である。
出典:Helpfeel「企業の生成AI導入に関する調査」より