欧州

2024.12.02 09:00

北朝鮮、M1991多連装ロケット砲もロシアに供与か 前線の都市にも脅威に

北朝鮮軍は、南北朝鮮を隔てる非武装地帯(DMZ)沿いの山岳地帯の防御陣地にM1991を隠しているとみられる。戦時にはこのロケット砲で、DMZから60kmに位置するソウルを砲撃できるだろう。M1991の射程が60kmなのは偶然ではない。米ワシントンD.C.にあるシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)はM1991について「北朝鮮がソウルおよび韓国をリスクにさらしておく重要な手段のひとつであり、北朝鮮の抑止態勢を支えている」と解説している

ロシア軍で就役すれば、M1991はウクライナ軍の塹壕を砲撃したり、ウクライナ軍の大砲やロケット砲などの砲撃に応射したりできる。これらと同じくらい懸念されるのは、ロシアとの国境からわずか40kmしか離れていないウクライナ北東部ハルキウ市など、ウクライナの前線の都市も攻撃可能なことだ。

ロシア軍はこれまでにも、北朝鮮製の弾薬でウクライナの民間人を攻撃している。今年1月にはキーウの高層アパートにKN-23が撃ち込まれ、4人が死亡した。8月にはキーウ州がKN-23で攻撃され、4歳の男児を含む2人が亡くなっている。

コバレンコは「敵は北朝鮮から得ている弾道ミサイルを民間人に対してますます積極的に使用している」と警告を発している。ロシアはさらに、より小型だが同様に大きな損害をもたらし得るロケット弾も、M1991から発射できるようになったもようだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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