北米

2024.12.01 09:00

F-35をドローンで代替? イーロン・マスクが「コスパ最悪」のステルス戦闘機に大なたか

F-35CライトニングII戦闘機(Shutterstock.com)

F-35CライトニングII戦闘機(Shutterstock.com)

イーロン・マスクはドナルド・トランプ次期米政権で「政府効率化省(通称DOGE=ドージ)」を率い、連邦支出の削減に取り組むことになっている。所有するX(旧ツイッター)での本人の一連の投稿は、彼がどういったことを考えているのかを知る手がかりになる。マスクは連邦支出を2兆ドル(約300兆円)したいと考えており、彼の示唆する改革は防衛企業、少なくともその一部にとっては憂慮すべきものかもしれない。

マスクはとりわけ、米国の最も重要な戦闘機であるF-35に不満をいだいているらしく、数回の投稿で製造元のロッキード・マーティン社の株価を3%超下げた。

「史上最悪のコスパ」

マスクは11月24日にXで、小型ドローン(無人機)の大群が編隊飛行する動画に「一方で、いまだにF-35のような有人戦闘機をつくっているマヌケもいる」とコメントした
続く投稿で、マスクは自身の考えるF-35の欠陥を説明している。

「F-35の設計は要求段階で破綻していた。あまりに多くの人から、あまりに多くのことを求められたせいでね。その結果、何でもこなすがこれと言った取り柄もない、高価で複雑な代物ができあがった。成功はそもそもあり得なかったわけだ。いずれにしても、ドローンの時代に有人戦闘機なんて時代遅れ。パイロットが犠牲になるだけだ」

マスクはさらに、時代遅れなのはF-35に限った話ではなく、パイロットが搭乗する戦闘機一般に言えるとも主張した

「有人戦闘機は、ミサイルの射程を伸ばしたり爆弾を落としたりする手段としては効率が悪い。再利用できるドローンなら、人間のパイロットに要するあらゆる費用をかけずにそれができる」

「戦闘機は、敵の軍隊が高度なSAM(地対空ミサイル)なりドローンなりを配備している場合、すぐに撃墜されるのがおちだ。ロシアとウクライナの戦争で示されたようにね」

マスクは「戦闘機にはたしかに、空軍将校たちがそのおかげでヤりやすくなるというメリットはある。この点ではドローンは及ばない」と卑猥なジョークも飛ばしている。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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