食&酒

2024.12.14 15:15

「麹でキャラメリゼ」した1皿も。ムンバイのベストレストランは『至高』だった!

充実のワインペアリング——インドワインの頂点も


ドリンクには、ワインペアリングはもちろんのこと、カクテルペアリングやメスカル・ペアリング(!)、ノンアルコールペアリングもあり、もちろんバーも併設されている。一番人気はカクテルで、単品メニューも実に豊富だ。さらに同店では客が自ら選んだ材料で作ったオリジナルカクテルを注文できる。そのカクテルは、カクテルナンバーと名前を付与することでデータベース化され、次回も注文できるユニークな仕組みを取り入れている。
 

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ワインは通常ワインペアリングと、インドワインのみの「Homegrown Favourites」が選択できる。コースに合わせたインドワイン8種は泡から甘口まで多彩なラインナップで、大手以外にも高品質なブティックワイナリーも出てきていることを実感した。


 
白で印象的だったのが、Vallonne Vineyards(ヴァローネ・ヴィンヤーズ)のリースリングだ。ぺトロール香といわれるキューピー人形のような香りがしっかりと出ていて、柑橘や核果実、グァバなどトロピカルフルーツの香りがあり、ドライで引き締まった味わい。磯っぽさや塩気を感じる余韻と、火打石などスモーキーなニュアンスに驚いた。

赤は重めのフルボディのものが多く、インド最高峰の赤の一つとも評される「J'Noon(ジェイ・ヌーン)」―インドのワイン大手のフラテッリとジャン=シャルル・ボワセがコラボレーションしたボルドーブレンドの赤ワインは、ダークチョコレート風味のとりわけ濃密なワインだった。そのなかで異彩を放っていたのが、ヴァローネ・ヴィンヤーズの「Anokhee Grand Reserve Cabernet Sauvignon」。優れた年のみに造られる少量生産の限定ワインだ。黒果実や鉛筆の芯の香りのほかに、ヨードやスパイス、さまざまなハーブの香りが入り混じり、14.5%というアルコール度数を感じさせない滑らかなタンニンと、やや出汁感をも感じさせるバランスの取れた味わいだった。このワインが大好きだというジェネラル・マネージャーのミレル・ピンフ氏によると、発売早々2~3分、遅くとも5分以内で売り切れてしまう人気ぶりだという。
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ジャンシス・ロビンソン氏も気に入った1本

ジャンシス・ロビンソン氏も気に入った1本

そのほかにも、天日干ししたブドウ造られたマンゴーと蜂蜜の香りが魅惑的なシュナンブランの甘口ワイン、インド版アマローネというべきシラーの甘口ワインはインド産カカオを使ったシグネチャー・デザートとともに供され、彩りに満ちたコースを華やかに締めくくった。
 
主任ソムリエのフリデイ・メーラ氏

主任ソムリエのフリデイ・メーラ氏

マスクの主任ソムリエ、フリデイ・メーラ氏はワイナリーにも頻繁に足を運び、こうした品質の高いインドワインを積極的にペアリングコースに取り入れている。さらに昨年には、ヴァローネ・ヴィンヤーズとコラボレーションしたインド初のオレンジワインを300本限定でリリースした。
 
インド初のオレンジワイン。「Kus Tavaan」は「What the hell」という意味

インド初のオレンジワイン。「Kus Tavaan」は「What the hell」という意味


「新しいことを試すのが大好き」だというヴァルン氏は、料理はもちろん、チーム全員が生き生きと活躍できるような環境づくりを心がけているという。ムンバイのガストロノミーシーンは、今まさに動き始めたばかりだ。

文=水上彩 編集=石井節子

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