欧州

2024.11.29 17:30

焦るロシア軍、かさむ損害 東部ルハンシク州でも残骸・屍の山

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ロシア経済が急激に悪化し、米国でドナルド・トランプ次期大統領が就任するまで2カ月を切るなか、クレムリンは、国内産業の能力が落ち込んだり国際的な政治情勢の混迷が長引いたりすることも想定し、ウクライナの領土をできるだけ早く、できるだけ多く占領しようと躍起になっている
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そのため、ロシア軍はロシア西部クルスク州で大きな損害を出しつつもウクライナ側突出部を少しずつ押し込み、ウクライナ東部ドネツク州の要塞都市ポクロウシクに向けて痛みを伴いながらもじわじわと前進している。また、ポクロウシク南方の同州ブフレダルの近辺でも、危険だが効果的な翼側迂回機動で進撃している。

ろくな訓練を受けていないロシア兵が、ぞんざいな指揮のもと、きちんとした支援もなく、なりふり構わず突撃しては大損害を出すことを繰り返しているのも、同じ理由から説明できるだろう。だが全体的に見て、戦争で疲弊したロシア軍は、クレムリンから現在求められていることに対応できる状態にない。

ロシア軍が21日、ドネツク、ハルキウ両州との州境に近い東部ルハンシク州ノボボジャネ村近くで行った攻撃について考えてみよう。ロシア軍第3自動車化狙撃師団の所属かもしない車両の長い縦隊は、ノボボジャネのすぐ南にあるウクライナ陸軍第3独立強襲旅団の陣地に向けて進んできて、おそらく数十人にのぼる歩兵を降ろした。歩兵たちはその後、徒歩で前進を図った。
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第3強襲旅団はドローン(無人機)や大砲でまずロシア軍の車両を攻撃し、数両を撃破するか損傷させた。続いて、下車した歩兵をつけ狙い始めた。自爆型のFPV(一人称視点)ドローンが突っ込み、より大型の爆撃ドローンが上空から擲弾(てきだん)を落とした。クラスター砲弾が撃ち込まれ、致死的な子弾が降り注いだ。
土埃と煙が晴れると、そこには散り散りになって粉砕されたロシア軍突撃部隊が無惨な姿をさらしていた。道路や平野には歩兵の遺体が散乱していた。最も運のよかったロシア兵ですら、ノボボジャネの出発地点とみられる場所から数百mしか進めていなかった。第3強襲旅団の陣地を大きく脅かすことはできなかった。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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