キャリア・教育

2024.12.02 08:00

避けられない職場での対立を「成長の機会」に変える4つの戦略

2. 常にコミュニケーションすることを心がける

コミュニケーションの断絶は、職場で対立が起こる最大の原因のひとつである。時間が経つにつれ、誤解が忍び寄り、思い込みが根付き、信頼が損なわれ始める。情報を共有し、お互いに耳を傾けることをやめてしまうと、問題は山積みになるばかりか、その解決はより困難になる。しかし、このパターンは覆すことができる。そのための鍵は、常にコミュニケーションすることを心がけることだ。真の会話は信頼を築き、混乱を解消し、障壁を取り除く。

反発されることなく発言できるとわかれば、問題は早期に表面化し、取り組みやすくなる。だからこそ、人々が安心して発言できる場を作ることが重要だ。単に不満を吐き出すだけでなく、共通点を見つけ、解決策をいっしょに考えよう。1対1での会話、チームでの話し合い、オープンな会話ができる安全なスペースを設けるなど、どのようなものでもよいが、人々が建設的に不満や懸念を吐き出せる環境を作ることが大切だ。全員が話を聞いてもらえたと感じれば、協力は自然に生まれ、対立はより小さな障害に変わるだろう。

時には、人事部や外部のファシリテーターのような中立的な立場の人を入れることで、物事を軌道に乗せ、生産的に進めることができる。ファシリテーターは生産的なディスカッションの舞台を整え、信頼を一歩一歩回復する手助けをしてくれる。また、定期的なチェックインやチームミーティングを実施することで、風通しを良くし、物事を円滑に進めることが可能だ。コミュニケーションはチームを束ねる強力な接着剤であり、それを何よりも優先することで、職場での対立を、成長するための機会、より強いつながり、より良い結果に変えることができる。

3. 明確にすることから始める

多くの対立は、期待の不一致に帰結する。ある人の「緊急」は、別の人の「来週までに」かもしれない。同僚、顧客、上司のいずれと仕事をするにしても、明確な期待値を設定することで、全員が同じ方向に進むことができる。

最初のステップは、「なぜ」から始めることだ。ゴールは何か、なぜそれが重要なのか、そして各人の貢献がどのように針を動かすのか。自分が全体像の中でどのように位置づけられるかを全員が理解することで、取り組むべき物事がはっきりとし、お互いが協力的であり続けることができる。それができたら、踏むべきステップや期限、責任を割り当てる。タスクリストを共有し、期限を明確にし、各人がもつ責任を確認することで、チームが当て推量で動くのを避けることができる。

ただし、計画するだけでは十分ではない。会話を続ける必要がある。進捗状況をアップデートすることは、単に「現状をチェックする」だけではなく、お互いの成果を祝い、うまくいっていない点を調整し、軌道から外れる前にアプローチを微調整するチャンスなのだ。明瞭でオープンなコミュニケーションを優先させることで、全員が足並みをそろえ、「やり遂げられる」と感じる雰囲気を構築することができる。
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翻訳=江津拓哉

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