マスクは「CFPBを削除せよ」とX(旧ツイッター)に投稿した。CFPBは、「消費者向けの金融商品の市場が公平で透明性があり、適切な競争が行われていることを保証する活動」を行なう機関で、特にクレジットカードや決済処理に関与する企業の監視を行っている。
Delete CFPB. There are too many duplicative regulatory agencies.
— Elon Musk (@elonmusk) November 27, 2024
彼のこの投稿は、ベンチャーキャピタリストでトランプに多額の政治献金を行ったマーク・アンドリーセンが最近のポッドキャストで発言した内容を受けてのものだ。アンドリーセンは、CFPBの主な目的が「金融機関に脅しをかけることだ」だと主張していた。Yahoo Financeの記事によれば、CFPBはアンドリーセンが共同創業したアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)の投資先の1社を2021年に閉鎖させていた。
2007年から2008年にかけての世界の金融危機とそれに続く世界的な景気後退を受けて2011年に設立されたCFPBは、米国の一般消費者向けに金融商品を提供する企業を監視しており、これまで累計約200億ドル(約3兆円)の債務の取り消しなどの消費者の救済措置を行ったとされている。
しかし、保守系シンクタンクのヘリテージ財団が発表したトランプ新政権の複数のメンバーが執筆した連邦政府計画の「プロジェクト2025」は、CFPBを「高度に政治化された、有害で、完全に責任を負わない連邦機関」と批判し、この機関を廃止するよう呼びかけている。
CFPBの2024年9月末までの1年間の予算は、約7億6000万ドル(約1140億円)だった。「トランプ次期大統領と議会の共和党は、規制緩和の一環としてCFPBの権限を制限しようとしている」と、ワシントンポストは23日に報じていた。
CFPBは、民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員が2007年に提唱したアイデアをもとにしており、現在も民主党が主導する連邦政府による金融テクノロジーとサービスの監督に影響を与えている。
マスクは、連邦政府の400を超える機関のうちの75%以上を削減することを目指している。彼の削減計画の多くは、CFPBや連邦取引委員会(FTC)、証券取引委員会(SEC)などの規制機関をターゲットとしている。
(forbes.com 原文)