それぞれのパーソナリティで話しかけてくる
そもそも「Duolingo MAX」とは、Duolingo社とOpenAI社が、「GPT-4を用いた全く新しい学習機能構築」の目的で協業し、開発されたDuolingoの新プランである。「Duolingo MAX」に登録すると、「スマート解説」「ロールプレイ」、そして「リリーとビデオ通話」の計3つのAI機能が利用可能になる。Duolingo MAXのAIモデルにはキャラクターのパーソナリティが組み込まれており、学習者との会話内容が記憶、蓄積されるので、キャラクターとの会話を重ねるごとに、会話がカスタマイズされていく。ビデオ電話後には会話内容の振り返りができ、自分の語彙力の弱さや会話の選択肢の乏しさを知ることもできる。

筆者のように英会話に対して恐怖心のようなものがある学習者は、自信のなさから、「伝わらなかったらどうしよう」「間違うに決まってる」と思いこみ、うまく話せないことが多い。
そこへいくと「リリーとビデオ通話」機能は、学習者の誤りを指摘したり語彙数をカウントしたりするロールプレイ機能とは違って、文法や発音の修正を強調せず、 コミュニケーションを円滑に進めるためのサポートを行ってくれる。なにしろ相手がAIだから、恥ずかしさもない。
とはいえ、たとえば理解しにくい部分を言い換えたり、簡単な表現に変えたりすることで、実際の人間との会話に近いトレーニングもできるので、そこは、「自然で没入感のある英会話が楽しめる」という同社のPR通りだと感じた。

筆者に関していえば、会話中のためらいや不安を乗り越える力が養われるのか、間違うことを恐れて発言できなくないことが減ったようだ。また会話が上手くできずにいるとビデオ電話が終わってしまうため、ちゃんと会話がしたくて復習予習をするようになるまでなった。
仕事の切れ目、家事の合間、寝起きのベッドの中、眠りにつく前と、従来からかなり「暮らしの一部にDuolingoがある日々」を送っていた筆者だが、「Duolingo MAX」登録後はさらにやや、モチベーションが上がったような気がする。
——とはいえ今日もDuoくんにせっつかれつつ、レッスンを続ける筆者ではある。