宇宙

2024.11.28 10:30

かつて「星雲」と呼ばれたアンドロメダ銀河 ハッブルの発見から100周年

最新の理論

2019年に発表された研究論文によれば、アンドロメダ銀河はすでに数十億年かけて複数の小さな銀河を飲み込んでいるという。

また、2023年に提唱された理論は、天の川銀河とアンドロメダ銀河は共にこれまで想定されていたよりはるかに広大で、両者の間にほとんど隙間がない可能性があるとしている。その証拠とされるのは、天の川銀河を取り巻くハロー(銀河ハロー)と呼ばれる領域で見つかった約200個の古い星のうち、最も遠い星が地球から100万光年以上離れた位置にあることだ。これは、アンドロメダ銀河とのほぼ中間地点にあたる。

今年9月、この理論をさらに発展させた研究結果が発表され、天の川銀河とアンドロメダ銀河の衝突はすでに始まっている可能性が示唆された。

ハッブル宇宙望遠鏡が捉えたアンドロメダ銀河(M31)の中心部、距離7900光年相当の画像。右側の明るい部分では、ブラックホールの周囲に星々が密集している(NASA, ESA and B. Williams and J. Dalcanton (University of Washington, Seattle))

ハッブル宇宙望遠鏡が捉えたアンドロメダ銀河(M31)の中心部の画像。横幅は距離7900光年に相当。右側の明るい部分では、ブラックホールの周囲に星々が密集している(NASA, ESA and B. Williams and J. Dalcanton (University of Washington, Seattle))

夜空に浮かぶアンドロメダ銀河、探し方のコツは

宇宙には2兆個もの銀河が存在すると推定されているが、アンドロメダ銀河はその中でも最も見つけやすい。そして、夜空に見ることのできる最も遠い天体でもある。米航空宇宙局(NASA)が公開した美しい写真でしか見たことのない人は、今が絶好のチャンスだ。月明かりのない漆黒の闇夜なら肉眼で、そうでなくても双眼鏡があれば、誰でも見つけられるだろう。

暗くなってから北の空を見上げ、M字型のカシオペヤ座を見つけよう。次に天頂付近から南西の方角へと目を動かすと、ペガスス座の「大四辺形」(秋の四辺形)が見つかるはずだ。カシオペヤ座のMの中央の星と左側の山の頂点の星を結んだ先に、大四辺形を形づくる明るい星の1つ、アルフェラッツ(アンドロメダ座アルファ星)がある。アンドロメダ銀河は、カシオペヤ座とアルフェラッツの中間あたりにある。

カシオペヤ座(中央左上)とアンドロメダ星雲(中央下)、アンドロメダ座のアルフェラッツ(右下)を捉えた写真(Shutterstock.com)

カシオペヤ座(左上)とアンドロメダ星雲(中央下)、アンドロメダ座のアルフェラッツ(右下)を捉えた写真(Shutterstock.com)

双眼鏡で覗いても、ぼんやりとした光の塊にしか見えないかもしれないが、人間の目は周辺視野が明るさに最も敏感だ。銀河は非常に明るい天体なので、少し横を向いて視野の端で見てみよう。直視するよりも多くの発見があることに、きっと驚くに違いない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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