社長がもとから金髪だったら問題はないが、わざわざ金髪に染めてきたとき、髪を染めるという行為への感情が表れる。組織コンサルティング、従業員向け研修などのためのサービス「識学」を運営する識学が、20歳から59歳の会社員300人を対象に行った調査によると、社長が髪を染めることを許せる人が全体で6割強と、けっこう大らかな感じだ。
この質問は、金髪が禁止されていない企業で、今の社長が金髪でない場合に限っている。ちなみに、染髪に関する規定がある企業は約3割で、約5割は「自由」。また、現社長の約8割は金髪ではないとのこと。
許せるという人は、きちんと仕事をしてくれるなら髪の毛の色はどうでもいいという意見が多く、女性からは、自分も髪を染めやすくなるとの意見もあった。許せないという人は、社会的信頼が得られにくい、社員が恥ずかしい、締まりなくていや、一般社会の常識に見合わないなど、対外的な印象を気にする傾向がある。
社長が金髪でも許せる条件を尋ねると、職場環境による、社長のファッションセンスがいい、社長が女性などの回答があったが、5割超の人は「どんな場合でも許せない」と答えている。
さらに、上司や部下が金髪にしてきたらどうかとの問には、これも6割超の人が許せると答えた。どちらも許せない人は3割弱。部下はいいが上司はダメのほうが、上司はよくて部下はダメよりも2倍以上多いのは、社長の金髪が対外的に恥ずかしいという心理に共通するものだろうか。
染髪を許容すること自体が多様性とは思えないが、個人の自由を尊重するという意味では大切だ。この調査が注目しているのは髪の色ではなく、「社長らしさ」や「社員らしさ」といった古い認識だ。「働く人の“らしさ”がどこまで許容できるのか」を調べることが目的だった。金髪社長が好きかどうかは別として、「社長らしさ」とは何かを考えるきっかけにしてはどうだろう。
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