特に大きく下落したのは、再生可能エネルギー事業を手掛けるアダニ・グリーン・エナジーの株価で、ムンバイ市場で7%以上急落した。グループの中核企業であるアダニ・エンタープライズの株価も約5%下落し、港湾事業のアダニ・ポーツも3%下落した。
米司法省は22日、アダニとグループ傘下の企業の幹部らが、2020年から今年にかけて、太陽光エネルギー事業契約を獲得するために共謀してインド政府に2億5000万ドル(約388億円)超の賄賂を支払ったとして起訴した。米証券取引委員会(SEC)も、アダニが連邦証券法の詐欺禁止規定に違反したとして告発した。アダニは、これらの主張を否定し、法的手段を講じる意向を示している。
フォーブスのリアルタイムデータによると、この告発前のアダニの保有資産は約700億ドル(約10兆6500億円)だったが、現在では約540億ドル(約8兆2200億円)に減少している。同グループはまた、投資家やビジネスパートナーからの反発にも直面している。
信用格付け会社のフィッチ・レーティングスは25日に、アダニグループの企業統治リスクの高まりや、資金調達や流動性への影響を指摘し、同社債を格下げの可能性があるネガティブウォッチリストに載せた。
さらに、フランスの石油大手トタルエナジーズは25日、この疑惑を受けてアダニ・グリーン・エナジーへの追加投資を停止すると発表した。同社はアダニ・グリーン社の株式の約20%を保有しており、複数の合弁会社に出資している。
「アダニグループの関係者に対する告発とその結果が明確になるまで、トタルエナジーズは同グループ企業への追加投資を行わない」と同社は声明で述べた。
また、スリランカでは、アダニが進める4億4200万ドル(約674億円)の風力発電事業について再検討を求める声が専門家から上がり、バングラデシュの高等裁判所は、アダニの電力供給契約に関する調査を開始した。これは、同グループが8億5000万ドル(約1294億円)の未払い金を理由に電力の供給を停止すると脅したことを受けてのものだ。
(forbes.com 原文)